【航空大手】国内線、アジア近距離路線に強み。国際線を拡大。
14日の東京株式市場でANAホールディングス株が一時、前日比112.5円(4%)安の2436.5円と、約1カ月ぶりの安値を付けた。13日に国際線の旅客を対象にした2022年8~9月発券分の燃油特別付加運賃(燃油サーチャージ)を引き上げると発表し、新型コロナウイルス禍からの需要回復が鈍るとの懸念から売られた。
終値は2457円とこの日の安値近辺で取引を終えた。売買高は613万株と、前日の2倍超まで膨らんだ。
13日の発表で北米や欧州行きのサーチャージは4万9000円と過去最高水準になった。航空燃料に使うケロシンの価格高騰を反映した。SBI証券の山崎慎一シニアアナリストは「原油価格をふまえると引き上げはやむを得ない。円安と重なり日本人の海外旅行需要が減る可能性が高く、会社計画の達成に重荷となる」と指摘する。
新型コロナ感染者数の落ち着きや水際対策の緩和により、これまで同社株は上昇基調にあり13日時点で4月末比4%高にあった。足元の物価高による日本人の旅行需要への影響が懸念されている。米航空会社のアジア行きの便数回復が十分ではないことから、「日本経由でアジア行き需要を取り込めるかが重要だ」(国内証券)との声もあった。