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日本株、個人初の2年連続買い越し 塩漬け株売りも一巡

2023/1/10 22:41 (2023/1/11 9:41更新)
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訂正>2023年1月10日22時41分公開の「日本株、個人初の2年連続買い越し」の記事中、買越額が「6871億円」とあるのは「1兆1774億円」、前年比の「2.4倍」は「4.2倍」、「リーマン・ショックがあった08年(9820億円)以来14年ぶり」は「バブル崩壊直後の1990年(1兆3727億円)以来32年ぶり」の誤りでした。6871億円は市場区分再編後の4~12月の数字でした。(2023/1/11 9:41)

若年層による投資もじわり増えている

若年層による投資もじわり増えている

個人投資家が日本株を買い越すようになってきた。2022年は年間で1兆1774億円と、遡れる1983年以降で初めて2年連続の買い越しとなった。バブル崩壊後に含み損を抱えた投資家の売りが一巡したことが大きい。老後の資産形成を見据えた若年層による投資もじわりと増えており、高齢層に偏る株主の裾野が広がるかが課題だ。

東京証券取引所が10日発表した2022年の投資部門別売買動向によると個人の買越額は21年(2811億円)の4.2倍に増え、バブル崩壊直後の1990年(1兆3727億円)以来32年ぶりの大きさとなった。

年間での個人の大きな買い越しは2度、バブル崩壊直後の1990年と2008年にあった。当時は株価が急落して売りがやむ例外的な状況だった。21~22年は日経平均株価が2万5000円以上の高水準で推移するなかでの買い越しとなり、個人の投資行動の変化が顕著になっている。

個人が買い越しに転じた背景には、中高齢層の投資家による含み損を抱えた銘柄の処分売りが一巡したことがある。

大和証券の小林雄太エクイティ営業部長は「13年からのアベノミクス相場ではバブル崩壊後に塩漬けになっていた株を売却する個人投資家が多かった。足元では一巡したのでは」と話す。個人は13~17年にかけて26兆円売り越していた。

個人投資家で主婦のようこりん(ハンドルネーム)さんは、22年に塩漬けにしていた株主優待が手厚い株を売り、利上げ懸念などを受け割安感が強まった高配当株などに乗り換えたと明かす。

銀行株や鉄鋼株などは「なお含み損を抱え売りが収まったとは言えない」(国内大手証券の営業担当者)との指摘はあるものの、長期株安の苦い経験から株価が戻れば売る投資行動に変化がみられる。

日本株の保有は高齢層に偏る。証券保管振替機構によると金額ベースでは70代以上が株主の4割を占め、20~30代は4%にすぎない。バブル期は50代が株主の中心だったが、人口の高齢化とともに株主も高齢層に偏った。2年連続の買い越しも中高齢層の投資の影響が大きいとみられる。

ただ、水面下では若中年層による投資の広がりがある。証券保管振替機構と日本証券業協会によると、20~30代の株主数は22年9月末時点で約174万人と、15年(115万人)から約5割増えた。人数ベースでは株主全体の12%を占める。

20~30代は成人後の大半が2013年以降の株高局面で、株式投資に前向きな特徴がある。将来の社会保障への不安が高まるなかで少額投資非課税制度(NISA)などを活用しながら資産を積み上げている。

楽天証券やSBI証券、マネックス証券などネット証券大手5社を通じた積立額は22年11月に1968億円と、20年1月比で5.6倍に拡大した。人数ベースでは同3.4倍だ。投資対象は世界株や米国株の指数連動型投信に加え、日本の高配当株も買っている。QUICKによると、22年11月末時点のNISA口座での預かり資産上位には日本たばこ産業(JT)や武田薬品工業三菱UFJフィナンシャル・グループなどが並ぶ。

高齢層は今後、相続などで株式を売却していく。資産を積み立て始めた若い世代が受け皿となれば、個人のリスクマネーが日本企業を成長させ、その恩恵を株主として個人が享受する好循環が生まれる。

株主の世代交代が本格的に進むには日本企業の魅力が高まることが第1の条件だ。企業価値の源泉である「稼ぐ力」が欧米と比べて見劣りする構図は変わっていない。資本効率を示す自己資本利益率(ROE)をみると日本の主要企業の平均で10%弱と、米国(20%)や欧州(15%弱)に届かない。

証券会社のビジネスモデル転換も欠かせない。顧客に回転売買を促す営業姿勢は個人を遠ざけてきた。野村証券は顧客の預かり資産残高に応じ、手数料を受け取る「レベルフィー」を22年4月に全店で始めた。運用商品を売り買いするたびに手数料を徴収するのではなく、時価の評価額に手数料が連動するしくみだ。顧客の預かり資産が増えれば証券会社の実入りも伸び、両者の利害は重なりやすくなる。

独立系金融アドバイザー(IFA)と呼ぶ金融商品仲介業者を活用する個人投資家も増えている。ただ、営業姿勢は玉石混交だ。顧客の資産残高の拡大を目指して運用を手伝う業者がいる一方、証券会社によっては営業方針をIFA任せにしているケースがあり、手数料重視で株の回転売買を促す業者もいる。

確定拠出年金など個人に資産形成を促す仕組み作りを早くから進めてきた米国では株式・投信などが個人金融資産の約半分を占め、米株市場の長期的な上昇をけん引してきた。日本でも個人の長期投資が報われる環境整備が求められる。

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