【茶葉製品の製造販売最大手】ウーロン茶販売草分け。緑茶飲料に強い。
2日の東京株式市場で伊藤園株が5日続伸し、一時前日比230円(5%)高の4825円と約2カ月ぶりの高値をつけた。1日の取引終了後、2022年5月〜23年1月期の連結営業利益が前年同期比で1割強増えたと発表。飲料の値上げが浸透し、収益改善を評価した買いが集まった。
連結営業利益は158億円と3年ぶりの高水準だった。22年10月に国内で一部飲料を値上げした。単独ベースで飲料販売の7割を占める茶系飲料の数量が4%伸びるなど、「原材料高の価格転嫁がスムーズにできた」(みずほ証券の佐治広氏)との評価が広がった。
23年5月には国内で缶製品を値上げする予定だ。株価は1月20日に昨年来安値をつけた後に持ち直し基調にある。「追加値上げ後の利益拡大を確認できればさらに上値を試しそう」(国内証券)との声もあった。
もっとも、営業赤字に沈む米国事業を懸念する声もある。物流コストの上昇に対して「価格転嫁が間に合っていない」(クレディ・スイス証券の伊原嶺氏)という。2日の株価の終値は5円(0.1%)高の4600円まで上げ幅を縮めた。株価指標面でも予想PER(株価収益率)が47倍台と、同業のサントリー食品インターナショナル(19倍台)などと比べて割高感が意識されている。