【上位総合商社】住友グループの中核企業。金属取引、自動車などに実績。
千葉県銚子沖の洋上風力発電
経済産業、国土交通両省は30日、洋上風力発電の事業者を公募する際のルールの見直しについて企業から意見を聞いた。運転開始時期が早い計画への評価を高める案をめぐり、三菱商事の子会社やJERAから修正の要求があった。複数の海域で同時に公募する場合に特定の企業連合だけが「一人勝ち」するのを防ぐ案に反対する企業もあった。
洋上風力促進に関する審議会の会合を開いた。これまで入札に参加したことがある企業8社が意見を述べた。両省は今回のヒアリングをふまえ、今夏までに新たなルールを固める。
運転をいつから始めるかは、これまで240点満点のうち「事業計画の実現性」(20点)の一部の要素だった。両省は新たに「計画の迅速性」を20点満点で評価する案を示している。再生可能エネルギーの導入加速につなげるためだ。
この案をめぐり、2021年12月に秋田県沖と千葉県沖の3海域の公募ですべてを落札した三菱商事の子会社は「環境影響調査や海域の調査を早く始めた方が有利で、不特定多数の企業が現地に入り乱れる恐れがある」と懸念を表明した。完工前の試運転で発電した電気の売電を認めるよう提案もした。
東京電力ホールディングスと中部電力が折半出資するJERAも「落札前の開発活動を誘発する仕組みとなっている」と指摘した。迅速性への配点を20点満点から縮小するよう求めた。住友商事は「配点が大きい」として10点への修正を求めた。
両省は複数区域で同時に公募する際に同じ企業連合だけが落札するのを防ぐ仕組みも、とり入れようとしている。三菱商事やJERA、九電みらいエナジーはこの提案に反対した。
両省は現在公募中の秋田県八峰町・能代市沖の入札について、6月10日としていた締め切りを延期した。ほかの海域の公募とセットにして新たなルールを適用し、締め切りも再設定する。