【飲食店情報サイト】飲食店からの課金収入が主な収益源。
「どう、そろそろ? 『Go To イート』のポイント、3月末で切れちゃうし」。友達からの久々の会食の誘いにハッとした。
そういえば有効期限があった。しかし、ただでも新型コロナウイルスの感染終息にはほど遠い現状で巡ってきた春の歓送迎会シーズン。既にフライング気味に活況を呈している飲食店も増えてきたのに「Go To イートのポイントが切れるから」という大義名分が加わったら、大勢が飲食店に殺到して密がつくられてしまうのでは? そんなことにならないように十分な周知が必要だ。
コロナ禍で苦しむ飲食店支援のために昨年10月に始まった国の外食需要喚起策「Go To イート」事業は自治体が発行するプレミアム食事券と、「ぐるなび」や「食べログ」など予約サイト経由の2本建てだ。食事券の方は自治体ごとに仕様や期限が異なる一方、予約サイト経由は全国共通のルールがある。3月末に有効期限を迎えるのはこのサイト経由で取得したポイントだ。
オンライン予約を手掛ける13社の15サイト経由で、Go To イート対象の店を予約の上飲食するとランチ利用で500円、ディナー利用で1000円のポイントが人数分(上限1回10人分)もらえた。獲得ポイントは次回の飲食代に充当でき、当初は利用制限が緩かったこともあって、飲食代金以上のポイントを稼ぐ「トリキの錬金術」や即日付与されるポイントを原資にキャッシュアウトなしで飲食できる「無限くら寿司」など、ややゆがんだブームも起きた。
当初の制度の建て付けはポイント付与が1月末まででポイント有効期限が3月末までだったが、ポイント付与は期限を待たず昨年11月中旬に予算を消化し終えて終了。有効期限もコロナ次第で変わったのでは……と、主管の農林水産省に確認して驚いた。変わっていなかった。確かにGo To イートで獲得したポイントの有効期限は3月末で切れるという。
だが、慌てるのは早い。そこから先「いつまでに来店すればいいか」はサイトごとに違いがあるのだ。「EPARK グルメ」など4つのサイトでは実際に3月31日までに飲食する必要がある。一方、その他のサイトでは3月末までに予約を入れさえすれば実際の来店は5月末、もしくは6月末まで可能なところもある。それらのサイトのポイントであれば、慌てて3月中に使おうとせずコロナの状況を見ながら機動的に予約したい。
ただ、何せ先の予定のこと。一度予約すると変更できるところとできないところがあるから要注意だ。またテークアウトも積極的に利用したいが、ポイントが使えるかどうか、これもサイト次第。Go To イートの公式サイトのかなり下の方だが、各サイトのロゴをクリックすると「最大予約可能期間(最終来店日)」とテークアウトへのポイント利用について情報がまとまっている。しかし問題のトラベルをはじめ、Go To事業はなぜこうもややこしい仕組みなのか謎だ。
「急ぐべきでない」Go Toポイント消化と逆に、3月末の期限に向けて大急ぎで駆け込んだほうがいいものもある。マイナンバーカードの申請だ。
顔写真とICチップのついたプラスチック製のカードの保有率は長らく10%台と低迷していたが、ここへ来て4人に1人が持つまでに急速に保有率を高めている。そのために展開されているのが、マイナンバーカードをつくってキャッシュレス決済をすると最大5000円分が還元されるマイナポイント事業だ。当初3月末で終了予定だったが9月末まで半年延びた。
ただ条件があり、カードをまだ持っていない人は3月中に申請をする必要がある。そのため未保有者を対象に3月中に国からQRコード付きの「個人番号カード交付申請書」が配られている。読み取ってスマホで手続きをすれば10分とかからない。スマホが厳しければ写真を貼って郵送してもいいし、街中の証明用写真機からも申請できる。3月末までに申請さえ済ませてしまえば、できあがるまでに時間はかかるがあとは9月末までにマイナポイントの手続きをすれば5000円分のポイントがもらえる。こっちは春の新生活を前に急いで3月中に済ませてしまおう。