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ここからの日本株投資戦略 株のプロはこう読む

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2021/9/21 5:00
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日経平均株価が9月に3万円の大台を5カ月ぶりに回復した。新型コロナ禍の収束は見通せないものの、次期政権への期待感や好調な企業業績が株価を押し上げた格好だ。果たして日本株相場はここからどう動くか。大化け株発掘の達人として知られる複眼経済塾塾長の渡部清二さんと、人気株式アナリストの鈴木一之さんに展望を聞いた。

――足元の企業業績についてうかがいます。第1四半期決算の印象は。

わたなべ・せいじ 複眼経済塾塾長。野村証券を経て2016年複眼経済塾設立。10倍株発掘の達人として知られる

わたなべ・せいじ 複眼経済塾塾長。野村証券を経て2016年複眼経済塾設立。10倍株発掘の達人として知られる

渡部清二さん(以下、渡部) 一言で言うと、製造業が強くて非製造業が弱い。一番良かったのは、増収・黒字転換だった自動車や自動車部品。資源高で非鉄金属なども良かった。一方で、悪かったのは小売りやサービス。予想よりもだいぶ業績の戻りが弱い。食品も原材料高が響きました。

鈴木一之さん(以下、鈴木) 今回の決算は、ひとえに「シクリカル的に良い」という印象です。景気の回復に伴って、売り上げを構成する「数量×単価」のどちらかが急増する業種が目立ちました。ずば抜けて良いのは、単価の上昇がフルに寄与した海運や鉄鋼。次に良いのが、数量が増えた半導体や自動車です。

注目すべきは、こうした動きが単純な景気循環ではなく、バイデノミクスなどの要因で引き起こされている点です。つまり構造要因によってシクリカル的な変化が強化されている。これがいつまで続くかが今後の重要な問題です。

渡部 とは言え、今回の4~6月の数字が良くてもあまり意味はありません。昨年の4~6月が最悪だったので、ある意味、良くなって当たり前。大部分は株価に織り込まれています。通期の数字に注目する方がいいでしょう。

鈴木 その通りですね。通期と言えば、今年は第1四半期で早々に通期予想を上方修正する銘柄が目立ちました。ただ、フジミインコーポレーテッドのように、第1四半期の上振れ分を通期予想に上乗せしただけで、下期の計画は何も変えていないパターンの上方修正が多い。こうした銘柄は、中間決算、第3四半期決算と上方修正が続くかもしれません。

――日本郵船など、海運株は好決算で株価が急騰しています。今からでも投資妙味はあると考えますか?

渡部 これは投資スタイルによるので一概に言えませんが、長期投資を原則にする私からすれば「売り」です。海運株や鉄鋼株は、「赤字の時に買って、PER(株価収益率)10倍で売る」のが鉄則。業績が良くなったというのは当たり前の売り時なんです。目先はもっと上がるかもしれませんが、長期で見れば相場は終わりの方に来ています。

鈴木 海運は典型的なシクリカル業種。今の業績を支えるコンテナ船の市況もいずれは下がります。ただ、先ほど話したように、今は構造要因によってシクリカル的な動きが強化されている。通常よりもずっと長期間、コンテナ船の市況が高止まりする可能性はあります。不定期船の市況に気をつけておくべきですね。

――今後の日本株相場の見通しは。

渡部 大局観から言うと、「2023年に日経平均株価は4万円を超える」と予想しています。様々なサイクルから、そこに落ち着くと。ここまでは、その予想に沿ってきています。今年末の日経平均の水準については、戦後の日経平均の値動きを基に統計的に判断すると、3万~3万3300円程度になります。

すずき・かずゆき 株式アナリスト。大和証券などを経て2007年に独立。景気循環に基づくシクリカル投資が得意

すずき・かずゆき 株式アナリスト。大和証券などを経て2007年に独立。景気循環に基づくシクリカル投資が得意

鈴木 私は徹頭徹尾、サイクル的に、PBR(株価純資産倍率)を基に日経平均の妥当な水準を判断しています。今はPBR1.15倍の2万7000円程度が居心地の良い水準と感じます。年末は1.25倍で2万9500円程度、来年3月は1.3倍の3万500円とみています。ただ、PBR1.3倍超えは相当に楽観的なムードが出て到達できる水準なので、恐らく経済再稼働が条件になるでしょう。

渡部 鈴木さんの数字には全く違和感はありません。ただ、私は、日本株が上がるかどうかは、世界的な資金シフトが起きるかどうかにかかっているとみています。

鈴木 資金シフトとは債券から株ですか。それとも米国から他へ?

渡部 米国から日本への動きです。現在、米国株市場の時価総額は約5500兆円で、世界の約44%を占めている。欧州は約17%、日本は約6%です。まさに、米国一強の状態と言えるでしょう。

ただ、私は運用の世界をずっと見てきたから分かりますけど、運用者は相場が上がったら必ず売って、安い何かを買わなければいけない。今、世界でどこが安いかといえば、明らかに日本なんです。

1989年に日経平均が史上最高値を付けた時、日本株は世界の時価総額の約50%を占めるナンバーワン市場だった。それが、壮大にドテンしたわけです。今回、同じことが米国で起きるとみています。89年当時は都銀やNTTが猛烈に買われて、世界の時価総額上位を独占した。それが今回はGAFAだったという違いです。

鈴木 資金シフトのきっかけは何でしょう。

渡部 2019年に米経済界が「株主第一主義」を見直し、継続性を重視する方針に大転換しました。これで日本株を買う大きな流れはできたと思います。後は、いつ起きるかですね。

――個人投資家からは「日本株より米国株の方が魅力的」という声もあります。

鈴木 日本株は「K」の字のようになっていて、上の方と下の方の格差が激しい。下の方の企業の淘汰が進まず、温存されている点が米国株との違いです。逆に言えば、K字の上の方の企業は、米国と遜色ないクオリティーがある。日本株全体を買うのではなく、そうした「エクセレント企業」だけを狙って買うなら十分魅力的です。

渡部 よく「日本株ダメだ論」を聞くんです。「日本にはGAFAみたいな企業が生まれなかった」と。でも50年後にはネットの世界を日本企業が支配しているかもしれない。それは歴史が物語っています。

例えば、トヨタ自動車は1950年の『会社四季報』にどう書かれていたかというと、「前途多難」です。潰れるかもしれない、と。自動車生産の95%を米国が占めていた時代ですから、そうした評価も当然です。ましてや、将来、日本のメーカーがトップになるとは誰も思わない。でも、そういうことが起きるわけです。

日本株は有望株の宝庫

――ここからの日本株の狙い目は。

鈴木 今なら①配当利回り②大型バリュー③小型成長株が有望とみています。

配当利回りは、低金利の長期化に加えて、足元で増配企業が増えている点で注目できます。ただ、注意したいのは、前期減配した会社が2年前の水準に戻すといった形の増配が多いこと。やはり、きちんと積み上げる形で増配している企業を選ぶのがいいでしょう。例えば、SOMPOホールディングスなどが、きちんと増配している配当銘柄です。

大型バリューについては、健康体の企業ならPBR2倍ぐらいが普通だと思っています。逆に、PBR1倍割れは資本効率が悪い銘柄が多く、割安ではない場合もあります。一般的なバリュー株とは異なるかもしれませんが、クボタや豊田通商などが該当すると考えています。

渡部 バリューには様々な考え方がありますが、私もいわゆる資産バリュー株はウオッチしています。PBR0.7倍以下、自己資本比率70%以上が条件です。

ただ、バリュー株で怖いのは、カタリスト(株価が動くきっかけ)が語られない場合が多いこと。日本人はデフレの経験が長過ぎたので、安い株を探すのは得意ですが、どうしたら上がるかというところまでは考えない。カタリストのないバリュー株は、万年割安株にしかなりません。

その意味で、今面白いのは親子上場銘柄。コーポレートガバナンス・コードなどによる機関投資家の圧力と、東証市場再編がカタリストになります。仮にPBR0.2〜0.3倍の銘柄がPBR1倍でTOBとなれば株価は3~5倍。例えば、大阪製鉄フジオーゼックスなど、親子上場のバリュー株はゴロゴロありますよ。

――渡部さんの狙い目は。

渡部 私は一貫して、中小型の成長株投資を主軸にしています。株式市場には常に新しい産業が登場し、どんな相場でも10倍株が生まれますから。

過去の10倍株の成長パターンを分析すると、4つの共通点が見られます。時価総額300億円以下で、売上成長率が年20%。つまり、「中小型の成長株」です。これを、できるだけ株価が下がった時に買うのが重要です。

鈴木 10倍株は野球の2000本安打と同じで、いつか達成したいと思っていますが、とても難しい。やはり底値で買うからこそ、10倍になるんですね。

渡部 割安度は、PERではなくPSR(株価売上高倍率、時価総額を売上高で割って算出)で判断します。これまで4倍以下を投資対象としていたのですが、最近は例外的に10倍以上でも投資できると思える銘柄が出てきました。

一つは、「感性銘柄」。どこにも分類できないような事業をやっていて、営業利益率が非常に高い銘柄です。日本の「おもてなし」のように、目に見えない価値を提供することでPSRを高めていると考えています。クリーマ、カラダノートなどが代表例です。

もう一つは、ストック型の収益構造の企業。これもPSRが高くても許容できると考えています。例えば、アイキューブドシステムズWACULなどです。

鈴木 私は中小型成長株はそこまで得意ではありませんが、足元の決算は非常に良い銘柄が多い。SREホールディングスFRONTEOなど、業績が良いという点で注目しています。

――昨秋をピークに下落が続いている新興株が多数あります。買い場ですか。

鈴木 確かに、BASEやメドレー、Chatworkなど、昨年のスター株で苦戦している銘柄は多いですね。

渡部 私の基準では、こうした銘柄は投資候補に入りません。なぜなら、株価が下がったとはいえ、時価総額がまだ大き過ぎる。300億円以下が条件です。

また、相場格言に「山高ければ谷深し」とあるように、下落に転じたスター株はとことんまで売られないと反発しない恐れもあるので、注意した方がいいでしょう。

(市田憲司)

[日経マネー2021年11月号の記事を再構成]

日経マネー 2021年11月号 上昇期待の好業績株
著者 : 日経マネー
出版 : 日経BP (2021/9/21)
価格 : 750円(税込み)
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