【製造業首位】海外展開加速。環境技術も優位。資金量9兆円規模。
英国で生産される自動車の8割は欧州連合(EU)などに輸出される(日産自動車のサンダーランド工場)
【ロンドン=佐竹実】英自動車工業会(SMMT)は26日、2022年の自動車生産台数が前年比約10%減の約77万5千台だったと発表した。6年連続の減少で、1956年以来66年ぶりの低水準に落ち込んだ。世界的な半導体不足に加え、中国による新型コロナウイルス対策のロックダウン(都市封鎖)も供給網に影響した。
英国が国民投票で欧州連合(EU)離脱を決めた16年の自動車生産台数は約170万台で、22年はその半分以下に減った。過去最多だった72年の4割の水準だ。EU離脱を巡って混乱が続いたほか、21年にはホンダが乗用車工場を閉鎖した。EU離脱を受けて通関手続きなどが21年から発生し、メーカーのコストが上がった。
22年のメーカー別生産台数は、リーフやキャシュカイなどを生産する日産自動車が前年比17%増の約23万8千台で、全体の3割を占めた。カローラなどを生産するトヨタ自動車は同19%減の約10万6千台だった。SMMTは23年には半導体不足が緩和し、英国の生産台数は約98万台に増えるとみている。
22年の電気自動車(EV)の生産台数は前年比5%増だった。英政府は30年までにガソリン車とディーゼル車の新車販売を禁止し、35年までにハイブリッド車(HV)の販売も禁じるため、今後EVの生産は増えるとみられる。
ただ、EV向けリチウムイオン電池のギガファクトリー建設を目指していたスタートアップのブリティッシュボルトが1月に経営破綻しており、先行きは不透明となっている。
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