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新興EVリヴィアンが上場 時価総額9兆円、GMに並ぶ

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2021/11/11 3:35 (2021/11/11 8:37更新)
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10日、リヴィアンはナスダック前にEVを展示(ニューヨーク市内)=AP

10日、リヴィアンはナスダック前にEVを展示(ニューヨーク市内)=AP

【ニューヨーク=宮本岳則】米電気自動車(EV)メーカー、リヴィアン・オートモーティブは10日、米ナスダック市場に上場した。終値で計算した時価総額は859億ドル(約9兆7800億円)に達し、米最大手ゼネラル・モーターズ(GM)にほぼ並んだ。バイデン米政権の政策的な後押しに加え、筆頭株主の米アマゾン・ドット・コムなど強力な後ろ盾の存在が、高い成長期待につながっている。

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リヴィアン株の取引は米東部時間10日午後1時すぎに始まった。上場初値は1株106.75ドルで、公開価格(78ドル)を37%上回った。投資家の買い意欲は強く、一時119ドル台まで上昇する場面があった。終値は100.73ドルだった。ストックオプション(新株予約権)の行使などを考慮した完全希薄化ベースで時価総額を計算すると、一時1000億ドルを超えた。

新株発行による調達額は119億ドルに達した。米調査会社ディールロジックによるとEV専業のIPOとしては中国の小鵬汽車(シャオペン、17億ドル)を上回り、過去最大となった。10年に上場した米テスラの調達額は2億6000万ドルだった。米国のIPO調達額としては14年上場の中国・アリババ集団や、12年の米フェイスブック(現メタ)などに次ぐ、歴代7位の記録となった。

調達額のうち約50億ドル分の新株発行は既存株主に加え、有力機関投資家が引き受けた。引受先には米大手運用会社キャピタル・グループや米投資会社ブラックストーン・グループ、米ヘッジファンドのサード・ポイントなどが名を連ねる。こうした投資家の存在が、記録的な大型調達を可能にした。

リヴィアンは米マサチューセッツ工科大学で機械工学の博士号を取得したロバート・J・スカリンジ氏が09年に創業した。現在も最高経営責任者(CEO)を務めている。創業当初はスポーツカーの発売を目指していたが、米国市場の販売シェアで2割を占めるピックアップトラックの開発に転向した。

日本企業とのかかわりもある。三菱自動車が閉鎖した米イリノイ州の完成車工場を17年に買収した。このほど同工場から初のEV市販車「R1T」の出荷を始めた。住友商事は17年12月に資本参加し、現在も株式を保有している。

アマゾンは上場前時点でリヴィアンの発行済み株式数の22%を握る筆頭株主だ。創業者ジェフ・ベゾス氏はツイッターへの投稿で、スカリンジ氏について「私がこれまで出会ったなかで、最も偉大な起業家の1人」と評した。アマゾンはリヴィアンに商用EVバンを10万台発注しており、年末までに10台を引き渡す。同14%を保有する米フォード・モーターとは提携関係にある。

リヴィアンは黒字化の道筋を示せていない。製品出荷はまだ始まったばかりで、先行投資がかさんでいる。20年の最終損益は10億ドルの赤字、21年の上半期も9億9000万ドルの赤字を計上した。それでもアマゾンやフォードといった強力な後ろ盾が投資家に安心感をもたらしている。研究開発や設備投資を続けるのに十分な資金を確保できたことも大きい。

リヴィアン創業者のスカリンジ氏=ロイター

リヴィアン創業者のスカリンジ氏=ロイター

強気派の投資家はリヴィアンにテスラ株に匹敵する「成功ストーリー」を期待する。米大手運用会社ティー・ロウ・プライスのポートフォリオ・マネジャー、ジョセフ・ファス氏はリヴィアンについて「約10年間、水面下で技術開発を続けてきた会社で、ようやく市場に製品を送り出す段階だ。株価の上昇余地ではテスラに比べて大きな可能性がある」と話す。

テスラの時価総額は1兆ドルを超え、19年末の水準の約13倍に膨らんだ。量産体制の確立で黒字体質に転換し、市場の高い評価につながっている。もっとも21年通期の利益予想を基に計算したPER(株価収益率)は170倍を超えており、割高感を指摘する声もある。テスラ株の再現を狙う一部の投資家が、リヴィアンに乗り換えているようだ。

リヴィアンの株価を占う上で重要なのは、EV業界の競争環境だ。IPOに詳しい米フロリダ大のジェイ・リッター教授は、リヴィアンの時価総額について「高い利益率で自動車を販売できれば正当化できる」と話す。ただGMやトヨタ自動車といった大手がEV投入を計画しており「利益率は抑制されるだろう」と指摘する。

世界的なカネ余りと運用難で、投資マネーは有望セクターに集中する傾向がある。米ジョーンズトレーディングのマイケル・オルーク氏はIT(情報技術)バブルさなかの2000年3月に上場した携帯端末大手パームと、リヴィアンIPOの熱狂を重ねていた。当時、多くの投資家がインターネット革命に乗り遅れまいとしてパーム株を購入したが、最終的に期待外れとなった。

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