【大手総合商社】芙蓉グループの中核。重電、プラントに強みを発揮。
遼寧省大連市の原油備蓄施設(19年10月)=ロイター
【北京=川手伊織】中国の資源需要が鈍っている。中国税関総署が14日発表した2021年の貿易統計によると、原油の輸入量は20年ぶり、鉄鉱石の輸入量は3年ぶりに前年を下回った。内需が停滞したほか、政府による環境規制の強化も需要を下押しした。
原油の輸入量は5億1297万トンで、前年比5.4%減少した。鉄鉱石は3.9%減った。資源価格の上昇をうけ、輸入額はそれぞれ44%、49%増えた。
調達量が落ち込んだ主因は、中国景気の停滞だ。21年7~9月の実質経済成長率は4.9%で、10~12月は3%台との見方が多い。中国人民銀行(中央銀行)は21年の潜在成長率を5.7%程度とはじいた。昨年後半の需要が大きく落ち込んだことを示す。
原油は「20年春の原油価格下落をうけ、国家備蓄を増やした反動が大きい」(丸紅中国の鈴木貴元・経済調査総監)との指摘もある。政府の規制強化も資源需要を下押しした。気候変動問題への対応で、政府はエネルギー消費量が多い鉄鋼生産などへの電力供給を制限したためだ。