【ネット証券】ネット株式取引大手。信用取引が強み。
8日の東京株式市場で合成繊維大手のGSIクレオス株が一時、前営業日比327円(17%)高の2265円まで上昇し、約3年5カ月ぶりの高値をつけた。5日に2021年3月期の連結純利益予想や配当予想を上方修正したことを好感し、個人など幅広い投資家の買いが集まった。
終値は242円(12%)高の2180円だった。東証1部の値上がり率ランキングで7番目。売買代金は8倍の21億円に膨らんだ。
21年3月期の純利益は前期比88%増の19億円と、最高益になる見通し。従来予想は29%増の13億円だった。
繊維関連事業では新型コロナウイルスの感染拡大防止の需要増を背景に、マスクなど採算性の高い衛生用品の販売が増えている。工業製品関連事業は、近年力を入れてきたプラモデル塗料などホビー向けの販売が国内外で好調だ。売上高は前期比微増の1160億円、営業利益は2.9倍の34億円の見通し。
株主還元の拡大も買い材料になった。年間配当予想を前期比15円増の60円(従来予想は50円)に引き上げた。21年3月末を基準日として、1株を2株に分割することも発表。株式の流動性が高まるとの期待に加え、保有株式数によっては株主優待として配布するQUOカードの金額が増えることが好感された。
予想PER(株価収益率)は7倍台にとどまっている。もっとも、株価が2300円を超えたのは13年6月にまで遡る。「過去の株価推移からみると、利益確定売りが出やすくなる状況だ」(松井証券の窪田朋一郎氏)との見方もあった。