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2021年9月19日(日)
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日本の中央銀行。上場しているが、株式の取引量は少ない

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FRB内部対立が鮮明、ECBや日銀への配慮もにじむ

2021/7/29 10:52
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28日の米連邦公開市場委員会(FOMC)後のパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長による記者会見の質疑応答は、いきなり核心を突く質問から始まった。

「雇用とインフレ率に相当な進展があれば金融政策の変更もいとわず、とのことだが、それは具体的にどのような経済状況を意味するのか。インフレ目標2%のような具体的な数値を完全雇用に関しても示せるのか」

しかし、パウエル氏は具体的な数値目標について明言を避けた。そこには、FOMCにおける金融政策の正常化に積極的な「タカ派」への配慮がにじむ。

6月のFOMC後に公表した参加者の金利予測では「ドットチャート」では7人が2022年の利上げを予測した。最近の発言からボスティック・アトランタ連銀総裁、ブラード・セントルイス連銀総裁、ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁、ジョージ・カンザスシティー連銀総裁、ローゼングレン・ボストン連銀総裁、カプラン・ダラス連銀総裁の6人はタカ派とみられている。このうちボスティック、ブラード、カプランの3氏は「22年に利上げ」を予想していることを自ら認めている。ドットチャートは無記名なので、異例の告白だ。ちなみにFRB議長のパウエル氏は「中道」と位置付けられている。

タカ派が懸念するのは、現在のインフレ傾向を「一過性」と甘くみると後々、急激な引き締めに追い込まれ市場が混乱するリスクだ。7月の議会公聴会では、議員たちから不動産バブルのリスクが指摘され、これに対してパウエル氏は28日の記者会見でFRBによる住宅ローン担保証券(MBS)購入が住宅ローン金利を押し下げて住宅価格高騰の要因になる可能性を否定した。

新型コロナウイルスのインド型(デルタ型)の感染拡大にどう対応するかについてもFOMC内の意見は割れる。パウエル氏は、実体経済への影響は徐々に和らいでいると語ったが、米国保健当局が最近発した警鐘との温度差は否めない。

パウエル氏は、欧州中央銀行(ECB)や日銀へも配慮せねばなるまい。8月には世界の中央銀行家たちが集う恒例のジャクソンホール会議が控えるからだ。

ECBのラガルド総裁は先手を打って実質的にインフレ目標を2%以上に引き上げるフォワードガイダンス(金融政策指針)を発表した。ECBの緩和が一段と長期化することになり外国為替市場ではユーロ売り・ドル買いに火がついた。米国の国益を考えれば、ドル高は米国債の信認を高める半面、米国製品の国際競争力を弱める。自国通貨高も一線を越えればパウエル氏も「不快」に感じるのではないか。議会公聴会で、想定を超える物価上昇率の高騰について同氏が使った表現が「不快」だ。

主要中銀による「緩和継続の我慢比べ」になる可能性を秘めるなか、FRBが緩和縮小をためらえばドル安・円高のリスクも浮上する。国際通貨基金(IMF)が先進国のなかで唯一、経済成長率予測を下方修正したのが日本で、これは日銀も看過できまい。

市場は8月の相場波乱を覚悟しつつある。まずはFOMCのタカ派からの発言などにマーケットは反応しそうだ。緩和的姿勢に転じた中国人民銀行(中央銀行)の「我が道を行く」政策スタンスも、波乱要因となり得る。

リモート勤務が一般化したウォール街では、夏休みを取得中でリゾート地にいる市場参加者の間でも臨戦態勢が目立つ。

豊島逸夫(としま・いつお)

豊島&アソシエイツ代表。一橋大学経済学部卒(国際経済専攻)。三菱銀行(現・三菱UFJ銀行)入行後、スイス銀行にて国際金融業務に配属され外国為替貴金属ディーラー。チューリヒ、NYでの豊富な相場体験とヘッジファンド・欧米年金などの幅広いネットワークをもとに、独立系の立場から自由に分かりやすく経済市場動向を説く。株式・債券・外為・商品を総合的にカバー。日経マネー「豊島逸夫の世界経済の深層真理」を連載。
・ブルームバーグ情報提供社コードGLD(Toshima&Associates)
・ツイッター@jefftoshima
・業務窓口はitsuotoshima@nifty.com

  • 出版 : 日経BP
  • 価格 : 1,045円(税込み)

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