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【トヨタ系】水平対向エンジンと四輪駆動技術が特徴。米市場が主力。

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半導体ショック トヨタが生かした「3.11の教訓」

日経ビジネス
コラム
エレクトロニクス
自動車・機械
2021/2/16 2:00
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日経ビジネス電子版

世界の産業界を直撃している半導体不足。その影響はエレクトロニクスだけでなく、日本の基幹産業である自動車にも爪痕を残している。

国内の自動車大手の中でも大きな影響を受けているのがホンダだ。2月9日、半導体不足の影響を受け、2020年度の通期販売台数見通しを10万台引き下げ、前期比6.1%減の450万台とすると発表した。国内では軽自動車「Nシリーズ」、北米では「アコード」など販売台数の大きい車種への影響が避けられず、減産や生産機種の入れ替えを進めていた。決算説明会で倉石誠司副社長は「半導体影響が無ければ、コロナの影響を吸収して昨年度を上回る見通しの報告ができていた」とコメント。「2次サプライヤーや3次サプライヤーが同じ半導体メーカーから買っていたこともあり、予測できなかった」と奥歯をかんだ。

半導体不足を受け、21年3月期の業績を下方修正したのが、SUBARU(スバル)だ。当初、売上高にあたる売上収益について前年同期比12%減2兆9500億円を計画していたが、同15%減の2兆8500億円へと引き下げた。

2月5日に開いた決算会見で、岡田稔明最高財務責任者(CFO)は「(多目的スポーツ車など)中から大型の車種が多く、電子制御を多く使い、部品も共通化している。そのため、半導体不足の影響を受けやすかった」と述べた。今後の対応について、「対策が非常に難しい。どのくらい在庫を持つのがいいのかしっかり考えないといけない」と話した。

■復活目指す日産にも打撃

スバルは米国販売が堅調なことから20年11月に業績見通しの上方修正を発表するなど、いちはやく復調の兆しを見せていた。だが今回の下方修正では業績に加え、生産台数も引き下げる。生産台数は前期比2割減の82万3400台と従来予想から約5万8000台減る。そのうち、半導体不足による生産減は4万8000台分となる見込みだ。米国や中国を中心に需要は回復傾向にあっただけに、半導体不足が水を差した格好だ。

業績悪化からの回復を目指す日産自動車にとっても、半導体不足は想定外だった。9日に発表した通期見通しでは、連結最終損益が5300億円の赤字となるものの、半期決算時点の予想から赤字幅が850億円圧縮。だが、通期販売台数の見通しを半期決算時点から3.6%引き下げ401万5000台にとどめた。半導体不足と新型コロナウイルスの影響を合わせて、従来予想より15万台減少する影響を織り込んだ。

内田誠社長兼最高経営責任者(CEO)は「半導体不足の影響を最小限に抑える対策や収益性の改善に注力していく」と強調したが、新型車の積極投入や販売の「量より質」への転換など、改革が一定の成果を見せていただけに、痛打となった。

トヨタ「半導体不足による減産はない」

ホンダや日産とは対照的に、調達の底力を目せたのがトヨタ自動車だ。10日の第3四半期決算会見では、21年3月期通期の連結営業利益(国際会計基準)の見通しを、期初予想の5000億円から2度目の上方修正をして、2兆円(前期比17%減)とした。通期の世界販売台数は973万台を見込み、中間決算時点の予想から30万台以上引き上げた。台数増が営業利益を押し上げる。

トヨタ自動車は2021年3月期の連結営業利益の見通しを従来予想の1兆3000億円から2兆円に上方修正した(決算発表資料より)

トヨタ自動車は2021年3月期の連結営業利益の見通しを従来予想の1兆3000億円から2兆円に上方修正した(決算発表資料より)

世界的な半導体不足の中、販売計画を上積みできるのは、間もなく10年を迎える東日本大震災以降の、調達力強化の取り組みが結実したためだ。記者会見でトヨタの近健太執行役員は、「半導体の供給が逼迫しているのは当社も同じだが、足元の減産は見込んでいない」と言い切った。

震災時に部品の供給が滞り減産を余儀なくされたことから、トヨタは13年にサプライチェーンの情報システム「レスキュー」を立ち上げた。部材ごとに2次、3次調達先を含めて、複雑に絡み合うサプライチェーンのどこに供給リスクがあるのかを可視化できる。半導体については「1~4カ月の在庫を保有するようにしていた」(近氏)という。

さらに、サプライヤーとのコミュニケーションを密にして、生産計画を徹底的に擦り合わせたという。「月次、週次、日次で、1次サプライヤーはもちろん半導体メーカーの方も含めて、コミュニケーションを図った。調達本部では(調達先と)1日10回電話会議をした時もあった」と近氏は振り返る。

もっとも、取引額にものを言わせて要求するだけでは、調達先の協力は得にくい。向こう数カ月、長いものでは3年先までの確度の高い生産計画を示し、「仕入れ先から『発注がシュア』だと」(近氏)の信頼関係を築き、半導体生産を車載向けに振り向けてもらうことに成功した。

車載半導体不足の収束時期について、各社はおおむね来年度の序盤と見込む。トヨタの近氏は「夏前」、日産のアシュワニ・グプタ最高執行責任者(COO)は「5~6月」との見通しを示した。ただ2月13日夜に発生した福島県沖の地震で、ルネサスエレクトロニクスの車載半導体の主力工場である那珂工場(茨城県ひたちなか市)の操業に影響が出るなど、先行きは不透明になっている。

コロナ禍に追い打ちをかけた半導体不足。いわゆるCASE(つながる、自動運転、シェアリング、電動化)の進展で、自動車1台当たりの半導体使用量は、今後さらに増えていく。技術の進展のスピードに追いつくように、サプライチェーンの改革を進めることが、自動車産業共通の課題として浮き彫りになった。

(日経ビジネス 吉岡 陽)

[日経ビジネス電子版2021年2月10日の記事を再構成]

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