【製造業首位】海外展開加速。環境技術も優位。資金量9兆円規模。
デンソーが開発したSiCを活用したインバーター
デンソーは31日、炭化ケイ素(SiC)パワー半導体を使ったインバーターを開発したと発表した。SiCパワー半導体のインバーターは同社初。30日に販売を開始したトヨタ自動車の高級車ブランド、レクサスの電気自動車(EV)「RZ」に搭載される。従来製品のシリコンのパワー半導体に比べて電力損失を半分以下にできるとして、採用拡大をめざす。
インバーターは電池の電力を変換し、EVの駆動源のモーターを動かすために必要な装置。電力の変換効率はパワー半導体の性能が左右する。SiCのパワー半導体の基板はレゾナック・ホールディングス(旧昭和電工)から調達し、半導体の生産は外部企業に委託する。
インバーターは、デンソーとアイシン、トヨタが共同出資するブルーイーネクサス(愛知県安城市)が生産する電動車向け駆動装置「イーアクスル」に組み込まれる。デンソーは2020年に発売したトヨタのFCV(燃料電池車)のミライでも、電圧を変えるコンバーターでSiCを活用している。