【製造業首位】海外展開加速。環境技術も優位。資金量9兆円規模。
トヨタ自動車傘下で車のサブスクリプション(定額課金)を手掛けるキント(名古屋市)は20日、2020年の申込件数が1万件を超えたと明らかにした。20年7~12月では前年同期比6倍以上の申し込みがあった。取り扱い車種や契約プランの拡充などが奏功した。新型コロナウイルスで車利用の価値が見直された面も販売を後押しした。
20年の申込件数は約1万1200件だった。東京都限定で先行導入した期間も含めて19年3月~20年12月までの累計申し込みは約1万2300件だった。
20年には多目的スポーツ車「ハリアー」や「ヤリスクロス」といった人気車種を投入。11月からは小型車「ヤリス」、「アクア」の特別仕様車をキント限定で売り出した。若年層を狙ったテレビCMなどの販売促進策も受け、これまでの申し込みのうち4割を20~30代が占めた。契約者のうち4割はこれまで車を保有したことのない層だった。
国内では日産自動車やホンダ、三菱自動車など車のサブスクリプションサービスに参入する企業が増えている。小寺信也社長は「需要そのものが膨らみつつあり、国内全体で流れができつつある」と分析。さらに「他社とタッグを組み、『こういう車の持ち方も悪くはない』と広めていけるので参入は大歓迎だ」と述べた。