【めん類・和食店チェーン】中部が地盤で郊外中心に展開。
愛知県と岐阜県が国の緊急事態宣言の対象になったことを受けて、中部では外食店や小売店が営業時間を短くしたり、交通機関が便数を減らしたりするなど対応を急いでいる。宣言の期間は2月7日まで、時短に応じた飲食店には協力金を支払う。生活必需品を扱う食品スーパーやドラッグストアは通常営業を続ける方針だ。
宣言は飲食店向けの時短要請が柱になる。サガミホールディングスやコメダホールディングス、物語コーポレーションなど外食大手は、宣言の対象地域で午後8時までの時短要請と酒類提供時間の短縮に応じる。「世界の山ちゃん」を展開するエスワイフードは時短要請に加え、一部店舗は休業にする。
JR名古屋高島屋は14日から「タカシマヤ ゲートタワーモール」の営業時間を午後8時までに1時間繰り上げる。松坂屋名古屋店や名鉄百貨店本店はレストランフロアの営業を短くする見込み。名古屋三越は栄店やラシックの営業時間を短くする方向で調整している。
レジャー、娯楽関係でも時短は広がる。名古屋市の映画館「ミッドランドスクエアシネマ」や「伏見ミリオン座」は午後8時に閉館する方向で調整する。ブラザー工業グループが展開するカラオケ店「JOYSOUND」は名古屋駅前の一部店舗を休業にしている。東祥が運営する「ホリデイスポーツクラブ」は首都圏の店舗で午後8時閉館としており、愛知などでの追加対応を検討する。
愛知県蒲郡市のラグーナテンボスは13日、午後8時半~午後9時半と日によって異なっていた閉園時間を午後8時とした。名古屋市のレゴランド・ジャパンはすでに午後4時までの時短営業に入っており、今後の対応は社内で検討中という。
食料品や衛生用品を扱う店舗は緊急宣言の対象地域でも通常営業を続ける。バローホールディングスは食品スーパー、スギホールディングスはドラッグストア、ユニーは総合スーパー(GMS)を通常通り開く。
緊急事態宣言は不要不急の外出自粛を求めている。人の往来の減少に備えて交通各社は減便に動く。ジェイアール東海バスは2月1日のダイヤ改正で名古屋から東京方面の高速バスを日中2割、夜間4割減らす。名鉄バスは緊急宣言の解除日まで原則午後9時半以降に始発する便を運休にする。
タクシーではつばめ自動車が16日から稼働台数を日中7~8割、夜間5~6割に削減する。同社の天野清美社長は「影響が長期化すると業界の存亡に関わる」と危機感を募らせる。名古屋マリオットアソシアホテルでは、需要が見込みにくいレストランの営業時間短縮や休業を決めた。