【鉄道とホテル】東京-埼玉地盤。全国のホテルなど多角化経営。
線路脇の遊休地を活用する
西武ホールディングス傘下で不動産事業を担う西武プロパティーズは19日、武蔵関駅(東京・練馬)付近に設置した賃貸ユニットハウス「エミキューブ武蔵関」を報道陣に公開した。在宅勤務が浸透するなか、自宅以外のオフィスや趣味の空間としての利用を想定する。需要を見極め、将来は西武線の高架下などに100室の設置を目指す。
エミキューブは大きいもので11.9平方メートルの居室空間に空調やトイレを備え、屋外デッキも付く。月決め契約では共益費込みで月額5万5千円(税別)からとし、追加料金で駐車場も借りられる。武蔵関では3室用意し、うち1室は時間貸しで提供する。
オフィスや趣味空間としての活用を見込む
鉄道模型やアウトドアなどの趣味は、自宅で場所の確保に悩むことも多い。事業構想を始めた2019年には、社会人の私生活を豊かにする趣味向けの部屋を想定していた。その後新型コロナウイルス禍で在宅勤務の課題も浮上したことから、自宅近くのオフィスとしての活用も見込む。武蔵関の3室はテストマーケティングを兼ねて利用方法や設備のニーズを探る。
需要が見込めれば西武線の高架下にも展開する予定だ。西武プロパティーズの斉藤朝秀取締役は「駅から離れた高架下は商業用途には難しいが、貸部屋なら自宅の近隣にあれば訪れやすく有効活用できる」と期待する。西武グループが所有するリゾート地にも広げれば、ワーケーションにも生かせるとみる。