【ビール大手】発泡酒で首位。医薬品も強化。海外展開を加速。
メルシャンがコンビニ限定で3月に発売するスパークリングワイン
キリンホールディングス傘下でワイン事業を手掛けるメルシャンは18日に開いた2021年の事業方針説明会で、発泡性がある「カジュアルスパークリングワイン」の販売を26万ケースと20年比で2倍に増やす方針を発表した。3月にコンビニ限定で小容量の缶商品を投入。1本330円前後と手ごろな価格帯で家飲み需要を開拓する。
20年のワイン販売量の合計は19年比で3%減少した。新型コロナウイルス禍で飲食店向けの販売減が響いた。藤沢工場(神奈川県藤沢市)で瓶詰めをする国内製造ワインは2%上回ったが、チリ産などの輸入ワインが9%下回った。同社によると、国内のワイン市場全体は約1割減少した。
家飲み需要として、アルコール度数が一般的なワインよりも低いカジュアルスパークリングワインの販売は13万ケースと6割増えた。年代別でワイン消費量の少ない20~30代がけん引した。「(通常のワインよりも)気軽に楽しめ、缶チューハイよりもぜいたくな気分になれる。食後にくつろぎながら飲むなど、新たな飲み方として定着しつつある」(前田宏和マーケティング部長)
3月30日に瓶よりも一回り小さい、290㍉㍑のボトル缶をコンビニ限定で発売する。アルコール度数は4~5%。店頭での想定価格は330円(税抜き)。これとは別に、レモンの果皮をワインに漬けた500㍉㍑入りの瓶も発売する。想定価格は700円(同)。
21年のメルシャンの販売量全体は5%減を見込む。飲食店向けの販売減の影響が続くとみる。カジュアルスパークリングワインのほか、有機栽培のブドウを醸造した「オーガニックワイン」も約2倍の18万ケースを目指す。国産ブドウを国内で醸造した「日本ワイン」にも引き続き注力する。