【製造業首位】海外展開加速。環境技術も優位。資金量9兆円規模。
個人向け新車リースのナイル(東京・品川)は18日、約37億円の第三者割当増資と金融機関との融資契約で総額50億円超の資金調達を実施したと発表した。同社の定額リースはすべてオンラインで手続きができ、新型コロナウイルス下の非接触のニーズが追い風だ。調達した資金は採用やマーケティングなどに充て、自動車の整備工場や販売店との連携も強化する。実店舗のデジタル対応も支援する方針だ。
ナイルのオンラインで完結するカーリースはコロナ下で需要が増えている
増資を引き受けたのは、ドリームインキュベータ子会社のDIMENSION(東京・千代田)や産業革新投資機構(JIC)系のファンド、博報堂DYメディアパートナーズなどのベンチャーキャピタル(VC)や事業会社と個人投資家。ナイルは複数の金融機関とは、合計で13億円を上限に借り入れできる契約を結んだ。
ナイルの新車リース「定額カルモくん」は実店舗を持たずオンラインや電話で契約が完結するのが特徴で、利用者は国内メーカーの新車を対象に月1万円台からの低価格で使うことができる。2018年にサービスを始め、これまでに4万5000件の申し込みを受けた。特にコロナ下で公共交通を使わず、同じ車で気軽に移動したいという需要を取り込んでいる。
今回の調達資金では、一段と知名度を高めるためのウェブマーケティングや顧客対応のスタッフの採用、実店舗との提携にも生かす。M&A(合併・買収)も積極的に検討するとしており、人の移動にかかわるモビリティー事業など定額リースとの相乗効果が見込める企業が対象になる見通しだ。
ナイルは19年にはトヨタ自動車などが出資し、スパークス・グループが運営する未来創生ファンドなどから約15億円を調達している。今回を含めて、第三者割当増資による調達額は累計で55億7000万円に達した。