【経営再建中】ブレーキ大手。米国事業の不振で資金繰りが悪化。
自動車部品大手の曙ブレーキ工業は17日、閉鎖予定だった欧州のスロバキア工場の存続を決めたと発表した。同じく閉鎖予定だったドイツの研究拠点も存続させる。2019年1月末に申請した再建計画では欧州の全工場を閉鎖する予定だったが、スロバキアについては生産効率の改善などで黒字化を達成し、閉鎖の撤回を決めた。
スロバキア工場では独フォルクスワーゲン(VW)など主に欧州メーカー向けにブレーキ部品を製造している。フランス工場は計画通り閉鎖する方針だ。モータースポーツ向けの高性能ブレーキなどを開発する英国の研究拠点の閉鎖も決めており、欧州ではスロバキア工場とドイツの研究拠点のみが残ることになる。
曙ブレーキは19年1月末に事業再生ADR(裁判以外の紛争解決)を申請し、同9月末に銀行団から再建計画の承認を得た。米国では20年に4工場のうち2工場を閉鎖したほか、日本では生産部門の1割にあたる約180人の希望退職を募るなど、固定費の削減を進める。