【精密機器大手】計測、医用、航空・産業機器と広範。技術力に定評。
キヤノンメディカルシステムズは8日、新型コロナウイルスの感染の有無を調べる検査が検体採取から約30分で完結できる試薬を発売したと発表した。早くても約1時間はかかる主流のPCR法よりも早く結果が分かる。島津製作所がPCR検査向けに販売する試薬を使うことで、鼻の粘膜や唾液から核酸を抽出する処理にかかる時間を短縮。検査システムの速さを売りに普及を狙う。
検体採取から約7分で検査装置にセットできるようになった
キヤノンメディカルは一定の温度でウイルスの遺伝子を増やして判定する「LAMP(ランプ)法」を使う。島津が提供する試薬は、検体に混じる不純物が遺伝子の増幅を妨げる働きを抑え込むことができる。キヤノンメディカルが自社の検査システムに島津の試薬を使って十分な検査精度を確保したことで、検体採取から約7分で検査装置にセットできるという。
288回分の検査を1セットとして税別72万円で販売する。離島の港や空港、大型イベント会場で大人数を一括で検査するといった需要の取り込みを狙う。(橋本剛志)