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ソフトバンクG孫社長 投資先、倍々で「500社に」
「一歩間違えば奈落の底」

ソフトバンク
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2021/5/13 22:12 (2021/5/14 5:02更新)
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インタビューに応じるソフトバンクグループの孫正義会長兼社長(13日午後、東京都港区)

インタビューに応じるソフトバンクグループの孫正義会長兼社長(13日午後、東京都港区)

ソフトバンクグループ(SBG)の孫正義会長兼社長は13日、日本経済新聞の単独取材に応じ、手元資金など資金力をファンドに集中すると表明した。224社と昨年から倍増した投資先は「400社、500社と増やしていく」と話し、投資するスタートアップ企業を倍々で増やす考えを示した。一方で英金融会社グリーンシル・キャピタルなどへの投資失敗は「反省している」と述べ「一歩間違えば奈落の底」と危機感を示した。

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SBGは2021年3月期決算で、日本企業としては過去最大となる約5兆円の純利益を計上した。けん引したのがAI(人工知能)スタートアップ企業への投資だ。

孫氏は「2年前は手探りだったが、(投資会社としての)仕組みができた」と手応えを示した。5兆円の利益にも「達成感はない」と言い、投資を拡大する意向だ。

投資先企業は「出資段階で、95%くらいが真っ赤っかで、さらに赤字が増え続けている状態だった」と明かした。「そこに投資するのは勇気がいる。一歩間違えれば奈落の底」と話した。

テクノロジー分野は近年、未上場企業も含め評価額が急伸し「バブル」との懸念もある。孫氏は経済環境の変化によって「2~3割の株価変動は常にある」と指摘。SBGの損益も「四半期で1兆円の増減は当然ありえる」とした。「大事なのは上場株になる会社を増やし続けることだ」と述べ、「10年、20年の単位で伸びるのか下に行くのか」を見極めることが重要と指摘した。

投資先の上場と株式売却は21年3月期で14社。今期は「数十社出てくる」と説明した。米国で目立つSPAC(特別買収目的会社)については「(赤字でも)事業予測の開示で上場できるメリットがあるが、一般的な新規株式公開(IPO)の方を投資先の多くが希望している」と話した。

孫氏はここ数年、「SBGは投資会社になった」と繰り返してきたがその真意も明かした。

「会社が(売上高で)1千億円とか2千億円を超えたら経営者は投資会社として考えるべきだ」。孫氏は、伸びる事業と縮小する事業を見極め経営資源を配分することが経営者の役割との持論を展開した。

孫氏が掲げる経営戦略が「群戦略」だ。「情報革命という方向のみに飛んでいく群れを作る」ことが投資の目的と言う。「投資先の経営陣と顧客獲得の知恵を出し合い、戦略を話し合い、起業家同士のやりとりもある」ような集団を目指しており「普通の投資会社とは違う」と断言した。

SBGはこれまで数々の巨額買収で事業の幅を広げてきたが、今後は投資を通じた起業家集団の形成に資金を集中させると表明した。事業会社の買収は「今は考えていない」と断言。ファンド投資による群戦略と比べ「効率が悪いから」だ。

一方で、過去に度々検討してきたMBO(経営陣が参加する買収)に関しては「なんだってあり得るけど、今はコメントすべきではない」と述べるにとどめた。

孫氏自身が「難しい」と実感するというのが後継者の育成だ。後継者像として「ビジョンを共有できてテクノロジーに強い関心があり、ファイナンスも理解できなきゃダメ」と指摘。候補者は絞り込めてはいない。

孫氏は63歳。60代で後継者にバトンを託すと述べていた。これから「10年間は伴走して60代の間に後継者候補を絞り込む」とし、「やる気が衰えなければ、70歳、80歳まで会長など何らかの形で(経営に)関わりを続けたい」と話した。

英グリーンシルによる融資「容認してしまった」


「いろいろ反省すべき点がある」。孫社長は2021年3月に経営破綻した英金融会社、グリーンシル・キャピタルについてこう述べた。
SBGはビジョン・ファンドを通じて19年にグリーンシルに約14億5500万ドル(約1600億円)を投資したが、グリーンシルがSBGの投資先に融資していたことで利益相反を懸念する声がでていた。
孫氏は「グリーンシルの融資活動のなかに、一部我々の投資先の会社も入っていた」としたうえで「直接のやりとりを僕は知らないが、我々も容認してしまったという点で反省した」と話した。
投資を急ピッチで積み増すSBGにとって、投資先を巡る企業統治(ガバナンス)の問題にどう向き合うかは課題だ。
SBGは20年3月期にファンド事業で巨額の損失を計上したが、その一因も投資先である米シェアオフィス大手ウィーワークのガバナンス不全だった。孫社長は13日に「(創業者で前最高経営責任者の)アダム・ニューマンを高く評価しすぎた。事故があったら家族が自動的に(地位を)継ぐなど創業者の要求の多くを安易に受け入れすぎた」と話した。
SBGは20年2月に投資先企業のコーポレートガバナンスに関わる基準を明確化し「創業者・経営陣の権利」「利益相反の回避」などのガバナンス基準を強化すると公表した。それでもグリーンシルの問題が取り沙汰された。対策強化が必要となる可能性がある。

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