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北越メタル本社(新潟県長岡市)
北越メタルは8日、経営体制を巡って同社と筆頭株主のトピー工業が対立している問題で、5月27日付にトピーが発表したプレスリリースについて「トピーが自らの主張を正当化すべく事実を多数歪曲(わいきょく)している」と反論する文書を公表した。21日に開く定時株主総会で、会社提案への賛成と、トピーの株主提案に反対するよう株主によびかけた。
北越メタルは文書で「社外取締役を過半数とする取締役会や独立社外取締役を中心とした指名・報酬委員会を設置し、株主共同の利益を図るための実効的なガバナンス体制を構築している」と強調。トピーとの協力体制について北越メタルの現経営陣が「軽視」し「中長期的な企業価値向上は困難」との主張はあたらない、とした。
さらに、①人材交流に関する協議を拒絶している②経営情報に関する情報開示を全く行っていない③工場トラブルを他社からの報告などで認識した④現経営陣がトピーの影響力の排除を企図した――などのトピーの主張について「事実の歪曲」と指摘し反論した。
東京大学の田中亘教授は、同日公表された意見書で、両社の主張や独立社外取締役の重要性を踏まえたうえで「北越メタルの法人株主の取締役は、会社提案でなく株主提案に賛成する合理的で十分な事情があるか慎重に検討すべきだ。そのような検討なく株主提案に賛成した場合、善管注意義務を尽くしていないと判断されるべき」と指摘した。