日本の中央銀行。上場しているが、株式の取引量は少ない
27日午前の東京外国為替市場で円相場は下落した。12時時点は1ドル=129円72~74銭と前日17時時点と比べて25銭の円安・ドル高だった。26日のニューヨーク市場で米景気減速への懸念が後退して米長期金利が上昇し、日米金利差の拡大を意識した円売り・ドル買いが優勢だった流れを引き継いだ。一方、27日発表の1月の東京都区部の消費者物価指数(CPI)が市場予想を上回る伸びとなり、日銀の政策修正の思惑から円買い・ドル売りも入って相場を支えた。
26日の米市場では円売り・ドル買いが先行した。同日発表の2022年10~12月の実質国内総生産(GDP)速報値が市場予想を上回り、景気減速懸念が和らいだ。来週に米連邦公開市場委員会(FOMC)を控え、東京市場では一段とドル買いを進める投資家は限られた。
円は10時前に129円50銭近辺と、きょうこれまでの高値をつけた。総務省が発表した1月の都区部CPIは、生鮮食品を除く総合が前年同月比4.3%上昇と、市場予想(4.2%上昇)を上回った。インフレ率の上振れで日銀の金融緩和の正常化を巡る思惑が意識され、円買い・ドル売りが入った。
市場では「国際通貨基金(IMF)が26日に対日経済審査声明で日銀の金融緩和の修正を提案していたこともあり、円買いが入りやすかった」(国内銀行の為替ディーラー)との声があった。10時前の中値決済にかけては国内輸出企業の円買い・ドル売りが入ったとの観測があり、実需勢の円買いも相場を支えた。
円は対ユーロで上昇した。12時時点は1ユーロ=141円13~15銭と、同24銭の円高・ユーロ安だった。東京市場で円の対ドル相場が強含むと、対ユーロでも円買いが優勢になった。
ユーロは対ドルでも下落し、12時時点は1ユーロ=1.0879~80ドルと同0.0040ドルのユーロ安・ドル高だった。
〔日経QUICKニュース(NQN)〕
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