【総合通信会社】「au」ブランドの携帯事業が主力。
携帯電話大手傘下のサブブランドから本体ブランドのプランへの乗り換え手数料の問題などを共同で検討する
武田良太総務相と井上信治消費者相は4日、携帯料金の引き下げの状況を検証する2大臣会合を始めると発表した。大手傘下のサブブランドから本体ブランドのプランへの乗り換え手数料の問題や、販売店での不適切な表示の是正などを共同で検討する。武田氏は「閣僚が先頭に立って課題を解決する」と述べた。
9日に初会合を開く。総務省、消費者庁、公正取引委員会が参加し、不定期で継続する。
KDDIとソフトバンクは10月、20ギガ(ギガは10億)バイトのデータ容量で月額4000円前後の新プランを傘下のサブブランドで導入すると発表した。現状では本体ブランドからの乗り換えに約1万5千円の手数料がかかる場合がある。武田氏は「乗り換えのハードルを高く設定して利用者を高いプランに過度に囲い込んでいる」と改めて批判した。
武田氏と井上氏の会合では販売代理店の不透明な料金表示の是正も議論する。たとえば端末の分割払い価格に独自に上乗せした料金を「頭金」と表示する販売慣行を問題視している。実際は頭金を払っても分割払いの総額は減らず消費者の誤認を招いている。
菅義偉首相は消費者の負担が重い携帯料金の引き下げを看板政策に掲げる。携帯料金そのものは既に自由化されており、政府が料金水準を直接決めたり指示したりはできない。一方で根拠の薄い手数料体系や、消費者にわかりにくい販売手法などの問題も多く残る。閣僚主導で透明な競争環境の整備をめざす。