【製造業首位】海外展開加速。環境技術も優位。資金量9兆円規模。
スズキは25日、5年ぶりに全面改良した小型乗用車「ソリオ」の新型モデルを発表した。税込み価格は158万1800円からで、12月4日に発売する。取り回しの良さは維持しつつ、車体を大きくして室内空間を広くするなど使い勝手を改良した。トヨタ自動車やホンダなど車各社は今年に入り主力小型車の新モデルを相次ぎ発売している。小型車市場で競争が一層激しくなりそうだ。
ソリオは小型車ながら広い室内空間が特徴の乗用車。「スイフト」とともにスズキの主力小型車だ。今回車の全長を80ミリ伸ばすなどで室内空間をさらに広くした。荷室空間にはスーツケースを5つ積むことができる。ただ最小回転半径は従来と同じ4.8メートルと、強みの小回りの良さは維持した。
「特にファミリー層からの要望が多かった」(商品・原価企画本部四輪商品第一部の永田和夫氏)と安全機能も充実させた。スズキの予防安全技術「スズキセーフティサポート」を搭載。自動ブレーキなどに加え、前方車両への追従機能の追加やスズキの小型車として初めてフロントガラスに速度などの情報を映すヘッドアップディスプレー(HUD)を採用した。
同日オンライン形式で開いた発表会で鈴木俊宏社長は「競争が激しくなってきている小型車市場に満を持して投入するモデルだ。使い勝手などでアピールしていきたい」と自信を見せた。
排気量1.2リットルの4気筒エンジンを搭載。ガソリンエンジンタイプとスズキ独自の簡易式「マイルドハイブリッド」を組み合わせたHVタイプも設定する。現行モデルには独自技術の本格ハイブリッドタイプの設定もあったが今回のラインアップからは外し簡易式のみとした。
鈴木社長は「販売状況などを見て判断した。今後も開発を続けながら必要に応じて検討する」と理由を話した。今後トヨタからのシステム供給も視野に電動化を進めていく考え。燃費性能はガソリンエンジンタイプで1リットルあたり約19キロメートル。ハイブリッドタイプは同19.6キロメートル。
今年に入り車メーカー各社が相次ぎ主力小型車の新型モデルを発売しており小型車市場での競争は激しさを増している。2月にはトヨタが世界戦略車の「ヤリス」を、ホンダが新型「フィット」を発売。12月23日には日産自動車が「ノート」の新型モデルを発売する。