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姫路城照らす花道、親子市長が腐心
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大阪
関西
2020/11/26 2:01
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JR姫路駅から北へ約840メートル、姫路城大手門前の交差点まで延びる「大手前通り」。大阪・御堂筋を6メートル上回る幅員50メートルの堂々とした道路は、世界文化遺産の姫路城に通じる花道のようだ。駅に着いた市民や観光客の目にぱっと飛び込む景観形成には、故・石見元秀姫路市長(在任1946~67年)と、利勝市長(同2003~19年)親子2代の思いが込められ、今も街の魅力向上へ模索が続く。

■将来見通す計画

大手前通りは1955年、元秀市長の指揮で戦災復興事業として完成した。幅9メートルの国府寺小路を50メートルに拡幅し、当時では全国でも珍しく電線も地中化した。「最初は車が少なく、ドッジボールやなわとびをする遊び場でした」。老舗洋菓子・喫茶店「大陸」社長で姫路大手前通り街づくり協議会会長を務める岡本一氏は振り返る。

「飛行場でも造るのか」と批判もあった計画実現には戦災後のバラックなど何百軒もの移転が必要で、完成直後は交通量も少なかった。「車がいっぱい走り出してから道を造るのは大変だ。そのうちにぎわってくる」。父が話していたのを利勝氏は覚えている。

元秀市長は50年に訪米して歩車分離した広い道路を車が快適に走るのを目の当たりにし、大通りを構想したようだ。「お城を大事にする考えが電線地中化も伴う道路整備につながった」と利勝氏。その後のモータリゼーションを見越した先見性があった。

都市計画に興味を持った利勝氏は東京工業大学大学院を修了後、筑波大助教授や立命館大教授を歴任。2003年の選挙に担がれて、姫路市長に当選する。

折しも姫路駅の高架化と駅周辺整備の真っ最中。利勝市長はまずJR西日本を訪問し、新幹線と在来線のホームから大手前通りを介して姫路城が見えるよう高架後の姫路駅を従来より東にずらすよう要望した。「到着や出発の際に市民や観光客がお城にあいさつできるように」(利勝氏)という狙いで、駅北口には展望デッキ「キャッスルビュー」も設けられた。

■にぎわい課題に

駅前広場の整備では歩行者優先を徹底した。広場から白銀交差点までの大手前通りを片側3車線から1車線に削って歩道を広げ、一般車両を締め出して路線バスとタクシーだけが通行できる「トランジットモール」にした。一般車乗降場所を駅の東西に分散して駅前には芝生広場や地下庭園を開設。昼も夜もにぎわいの場になっている。

「中心部の魅力が低下するなか、新しい非日常の空間を考えた。将来はパリのシャンゼリゼ通りのようにオープンカフェやレストランでにぎわう場所になれば」。19年に市長を退任した利勝氏の思いは、清元秀泰市長に引き継がれた。

姫路駅周辺整備やマンションの建設、外国人観光客の増加で、駅前の地価は14年から19年で約2倍に跳ね上がり、中心市街地の人口は13~19年度で2割増加している。

一方、大手前通りの活性化の中心になるはずだった老舗百貨店ヤマトヤシキ姫路店が18年に閉店してしまった。ハード整備は終わっても、にぎわいづくりはそう簡単ではない。大手前通り沿いはオフィスビルが立ち並び、1本東側のアーケード商店街「みゆき通り」を通行する市民が多い。

ビルオーナーなどで構成する大手前通り街づくり協議会は19年、魅力向上を図るコア組織として「大手前みらい会議」を設立し、11月に沿道のテナントやビルオーナーが空間を活用する社会実験「ミチミチ」を実施した。今年は12月からベンチやテーブル、掲示板などを設置して近隣住民や学生などが日常的に使える空間にする実験を行う。

「ゆっくりくつろげる空間に人が集まれば次第に店も出てくるのでは」と岡本会長。市は国土交通省が25日に施行した「歩行者利便増進道路(ほこみち)」制度などを検討し、民間の動きを後押ししていく。

同省は20年度から居心地良く歩きたくなる「まちなかウォーカブル推進プログラム」を始め、姫路など281自治体が推進都市に登録済み。大阪・御堂筋や神戸・三宮でも車道を削って歩道を拡幅する構想が進んでおり、大手前通りの試みがモデルになりそうだ。

(編集委員 宮内禎一)

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