伊藤忠商事はデータ分析大手のブレインパッドと資本・業務提携した。伊藤忠が約10億円を出資し、比率は3%。食品流通の需要予測などをはじめ、全社規模で事業のデジタルトランスフォーメーション(DX)を進めており、出資を通じてブレインパッドとの共同開発体制を強化する。
19日、出資を受けるブレインパッドが発表した。伊藤忠はファミリーマートや食品卸大手の日本アクセスを傘下に持つ。伊藤忠はこうした食品流通の分野で商品の売れ行きや季節要因を分析し、需要予測や在庫の圧縮につなげている。今回の出資でデータ分析機能をさらに強化し、食品流通の効率化を目指す狙いがあるようだ。
伊藤忠は食品物流以外にも、アパレルのネット通販や不動産の賃料査定、建材などの共同配送、海運の配船作業といったグループ全体で効率化に向けたデータ分析の活用を進めている。ブレインパッドはこれまでも約20人を伊藤忠に派遣してDXに向けたシステム開発に協力しており、今後は個別案件ごとにDX対応チームを柔軟に組成できる体制を整える。
伊藤忠はグループ外の企業に対してもDXを包括支援する事業を展開しており、そこでもデータ分析を活用していくとみられる。ブレインパッドは130人以上のデータ技術者を抱え、一企業としては国内最大級の人材資源を持つ。ヤフーと伊藤忠が主要顧客となっている。