【セメント最大手】国内シェア4割弱。海外にも事業展開。
太平洋セメントは10日、2021年3月期の連結純利益が前期比5%増の410億円になりそうだと発表した。従来予想の320億円から上方修正した。コロナ禍でも米国では建設業が必要不可欠として工事が続くケースが多く、住宅需要を背景にセメント販売が前年を上回る見通しだ。日本ではコロナ感染拡大期の後のセメント販売が復調傾向となっている。
売上高は前期比2%減の8670億円と、従来予想の8760億円から下方修正した。コロナ禍を受けて日本で電力需要が減り、火力発電で生じる石炭灰処理などの売り上げが落ち込む。比較的利幅のある米国のセメント販売の伸びで補い、営業利益は前期比3%増の630億円と従来予想から80億円上振れする。中国子会社の持ち分の売却で特別利益を計上する。
同日発表した20年4~9月期の連結決算は、売上高が前年同期比2%減の4206億円、純利益は14%増の184億円だった。日本の石炭灰処理などを主因に売り上げが減ったものの、米国でのセメント販売の好調で増益を確保した。