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ニトリ、HISを反面教師に 島忠争奪戦の勝算

日経ビジネス
コラム(ビジネス)
小売り・外食
2020/10/28 2:00
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島忠争奪の序盤戦で優位に立っているようだ

島忠争奪の序盤戦で優位に立っているようだ

日経ビジネス電子版

ホームセンター大手のDCMホールディングスがTOB(株式公開買い付け)で買収しようとしている島忠に対し、家具・日用品大手のニトリホールディングス(HD)が待ったをかけそうだ。ニトリは島忠への対抗TOBを打ち出す準備を進めているが、じつはこの「待った」は文字通り「待ちに待った」策とみられる。DCMが島忠と買収交渉をしていることを以前から察知していたニトリは、先に買収を仕掛けると敵対的になってしまうリスクが大きいと判断し、DCMによる島忠買収発表を待ってカウンターを発動する作戦だったようだ。

エイチ・アイ・エス(HIS)のようになってしまうのは得策ではない」。ニトリ陣営の複数の関係者はこう漏らす。彼らが指しているのは、昨夏に旅行大手のHISが突如、不動産やホテルを手掛けるユニゾホールディングス(HD)にTOBを仕掛けた一件だ。合意がないまま仕掛けたTOBはユニゾ経営陣の反発を受けて敵対的TOBとなり、結局失敗してしまった。そしてHISのような大企業が敵対的TOBを仕掛けるのか、と世間で大きな話題にもなった。

ニトリ陣営が考えたのは「DCMの発表を受けてからのカウンターならば、仮に敵対的になったとしてもそのイメージを和らげられるうえ、後出しジャンケンになるから価格面を含め戦略が立てやすい」(金融機関関係者)というものだ。つまり、レピュテーションリスクも考えると先にけんかを売った格好になるのは避けたい、ということになる。

頭の中にあったのは、昨年、東芝がニューフレアテクノロジーの完全子会社化を発表した後に、HOYAがニューフレアの同意を得ないままTOBをかける意思表示をした一件だ。HOYAはTOBの意思表示こそしたものの、結局、勝算がないとみて実際にTOBを始めることなく撤退した。事実上の敵対的TOBだったが、発動されることなく未遂に終わった。

ニトリは今回、HISではなくHOYAのような立ち回りをしたい、ということだろう。そのため、DCMによる島忠買収発表を先に行わせた方がいいということになる。またニトリはいきなり対抗TOBを仕掛けるのではなく、HOYAのようにTOBをかける意思表示だけして、まずは相手の様子をうかがう、ということも視野に入れているようだ。

ふたを開けてみると、DCMによるTOB価格は解散価値に相当するPBR(株価純資産倍率)1倍となる水準を割り込むなど非常に割安なもので、「これなら勝負できる」(ニトリ関係者)となった。

■敵対的が当たり前に

島忠経営陣と合意できているわけではないため、仮にニトリがTOBをかけた場合、敵対的買収になるリスクは当然残る。だが支援体制も万全だ。ニトリのファイナンシャルアドバイザーには大手証券会社の大和証券がついており、買収資金の調達でもみずほ銀行から内諾を得ているとみられる。大手金融機関が敵対的案件になる可能性があるディールに対して全面的にバックアップに入っている。

これまで、買収資金の出し手となる銀行、そしてアドバイザーや公開買い付け代理人を務める証券会社にとって、敵対的買収案件は「我々のレピュテーションリスクにも関わる」(大手証券幹部)と敬遠するのが普通だった。だが敵対的買収案件が当たり前のように起こる時代を迎えつつあり、金融機関側も以前ほどのリスクがないとみて、そうした案件を積極的に手掛けるようになってきた。今回はその象徴的な事例になるとも言える。

それにしても時代は変わってきたと思わざるを得ない。古い話を持ち出して恐縮だが、「ねるとん紅鯨団」という1990年前後に一世を風靡したバラエティー番組をご記憶だろうか。大勢の男女が入れ代わり立ち代わりお見合いをした後、告白タイムで男性が全員の前で意中の女性に告白すると、同じ女性を狙っていたほかの男性が「ちょっと待った!」と手を挙げ、取り合いをするという企画が大人気となった。

まさにそれと同じことが企業の買収案件で頻繁に起こりつつある。投資銀行マンとしてこれまで100件以上の買収案件に関わってきた外資系バンカーも「日本のM&A(合併・買収)もようやく『ねるとん』の時代ですよ」と笑う。

TOBも株式市場という誰もが参加できる場での公開プロポーズのようなもの。逆に言うと誰でももっといい条件を引っ提げて途中参加することが可能だ。単に買う側と買われる側の経営陣同士が合意したからもう案件は成立、という時代ではなくなったのは確かだ。

(日経ビジネス 奥貴史)

[日経ビジネス電子版2020年10月23日の記事を再構成]

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