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【ビル賃貸業大手】通称丸の内の大家さん。マンションにも定評。

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三菱地所の吉田社長「丸の内から日本を明るく照らす」
三菱とニッポン 関連インタビュー

新型コロナ
コラム(ビジネス)
住建・不動産
2020/10/22 2:00
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NIKKEI BUSINESS DAILY 日経産業新聞

三菱地所の吉田淳一社長

三菱地所の吉田淳一社長

三菱地所が新型コロナウイルスの逆風を受けながらも都内の中心部で大型プロジェクトを相次ぎ打ち出している。三菱が長い歴史を刻んできた「丸の内」に日本一の超高層ビルを建設し、有楽町ではエンターテインメント関連のスタートアップや若者層を呼び込んで活性化につなげる。「選ばれる街」をつくる戦略を吉田淳一社長に聞いた。

――東京駅前で大規模な「常盤橋プロジェクト」を進めています。

「新型コロナ流行前から日本の国際競争力は停滞している。人口減も続くなか、東京の玄関口である好立地に新名所をつくりたいと考えていた。2027年度に完成予定で日本一の高さとなる63階建てビル(390メートル)は、希望の明かりという思いを込めて『トーチタワー』と名付けた。地方を含めて日本を明るく照らし、元気にしたい」

「菅義偉政権ではデジタル化がよりスピードアップしていくと期待している。常盤橋に建つビルはスマートフォンで決済できる就業者向けアプリや感染症対策としての非接触システムなど、いろいろな機能を盛りこむ予定だ。最先端の情報を発信する場所にしたい」

――企業のオフィス戦略や従業員の働き方が転機を迎えています。

「新型コロナで働く場所は従来の本社に加えてサテライトオフィスなど自由度が高まっている。育児や介護をする人も働きやすくなると思う。IT企業を中心にオフィス面積を縮小する動きは出てくると考えるが、一定のオフィス需要はあり続けるだろう。機密情報の議論や重要な意思決定をネット上でするのは危険な場合もあり、顔を合わせることが重要だ」

「丸の内エリアは、もともと企業の中枢機能や戦略部門が集まっている。交通の便が良いこともあるが、戦略的な意思決定の助言を受けられる法律事務所や監査法人、コンサルティング会社の存在が大きい。メガバンクなどと議論しやすいことも特長だ。海外企業もアジア拠点を丸の内に置いてもらえるように、魅力をさらに高めていく」

――顧客ニーズの変化にどう対応しますか。

「オフィスの新たな形として『曜日貸し』を検討している。どれだけのニーズがあるかは不透明だが、基本は在宅勤務で週1、2回だけオフィスに集まりたいという企業もあるかもしれない。来年6月に完成する予定の常盤橋タワーにスペースがあれば実施する方向だ。オフィスの柔軟な使い方を提案できなければ、顧客の要望には十分に応えられない」

――丸の内にオフィスを持つパソナグループが、本社機能を淡路島に移すことを決めました。

「パソナが入る日本ビルヂングは常盤橋プロジェクトの計画地で、出ることは以前から決まっていた。一定のオフィス面積が必要な状況で大胆な決断だと思う。順々に機能を移転していくようだが、優秀な人材がそろうのかなど色々な影響が出てくるだろう。話題性はあるが、他の企業がまねするとは見ていない」

――30年までの再開発エリアでは有楽町への期待が高まっています。

「有楽町は大手町や丸の内と違い、不特定多数の人が近寄ってくれるのが面白い。丸の内は明確な目的がないと行きづらい場所だが、有楽町は帝国劇場やよしもと有楽町シアターなどがあり、若者も気軽に楽しめる。スタートアップを含めてエンタメに関わる企業を誘致し、若い人が集まれる場所も増やしたい」

開業当時の丸の内ビルディング

開業当時の丸の内ビルディング

■「唯一無二」をどう提供

「1月に公表した30年までの長期経営計画は、コロナ禍の現在でも変える予定はない。街づくりは建物を造って終わりでなく、ソフト面も充実させなければいけない。丸の内では地下のネットワークを魅力的にするとともに、防災や災害に強い街を実現していく」

「不動産は唯一無二のもの」。吉田社長はこの言葉を繰り返した。特徴あるマンションや街づくりへの意気込みを示した形だが、顧客が喜ぶ商品を生み出せなければ企業や都市間競争で生き残れないという危機感の裏返しでもある。

三鬼商事によれば千代田区の空室率は9月時点で2.38%。都心5区の中では低いが、在宅勤務が進めば地方で働く人はさらに増えるだろう。今後は顧客のニーズをくみ取り、丸の内にオフィスを置く魅力を伝えることが一段と重要になる。

1990年代に「丸の内のたそがれ」とまで言われた土地を再生する原動力となった丸ビルの建て替えから20年弱が過ぎた。「丸ビルも大規模な修繕をしないといけない時期に来た」と吉田氏は言う。こちらの行方にも注目だ。

(企業報道部 原欣宏)

■東京市の年間予算の3倍で買い取り
 三菱グループの企業が集積する東京・丸の内。三菱が政府から丸の内の払い下げを受けたのは、1890年に遡る。「政府と親密だった三菱は優遇されたのでは」と思われがちだが、実際はその逆だ。三菱は東京市(当時)の年間予算の3倍となる金額で買い取った。
 政府は財界に丸の内の売却を持ちかけたが、売却希望価格が高すぎて買い手が現れない。困った松方正義蔵相の懇請に応じたのが、三菱2代目社長の岩崎彌之助だった。「国家あっての三菱。お国のために引き受ける」と彌之助は決断した。
 実はそのとき、英国出張中だった大番頭の荘田平五郎が、ロンドンのようなオフィス街の建設を構想し、「スミヤカニカイトラルベシ」の電報を送っていたという。その後、丸の内は「一丁倫敦(ロンドン)」と呼ばれる赤レンガ街が設けられ、日本を代表するオフィス街にまで発展した。

    【「三菱とニッポン」記事一覧】
  1. 三菱、創業150年の憂鬱 取り戻せるか進取の気性
  2. 陸・海・空で逆風の三菱重工業、創業以来の正念場
  3. 三菱グループの日本郵船、「源流だが主流にあらず」
  4. AGCが継ぐ不屈の志 「易きになじまず難きにつく」
  5. キリン「存立は設立登記から100年」に込めた反骨心

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