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車載画像センサー、ソニーVS米国勢 自動運転に照準

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自動車・機械
2020/10/21 2:00 (2020/10/21 5:03更新)
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NIKKEI BUSINESS DAILY 日経産業新聞

ソニーが開発したEVには33個のセンサーが搭載される

ソニーが開発したEVには33個のセンサーが搭載される

自動運転時代の到来を見据え、「車の目」となるセンサーの開発競争が激化する。車載カメラで使う画像センサーでは、ソニーが本格参入する。電波で障害物との距離を測る「ミリ波レーダー」や、レーザーを使う「LiDAR」といった3次元センサーも本命の技術に浮上する。センサーは自動運転時代の中核技術と言われる。覇権を巡る競争の現場を追った。

「過去10年のメガトレンドはモバイル(携帯電話)だった。これからはモビリティーだ」。1月に開かれた米国のデジタル技術の見本市「CES」。ソニーの吉田憲一郎会長兼社長はこう宣言し、電気自動車(EV)「VISION-S(ビジョンS)」を披露した。

ビジョンSには画像センサーなど33個のセンサーを搭載する。開発を指揮する川西泉執行役員は「車の周囲360度を見つつ、乗る人や周囲に深い安心を与える」と話す。中核となるのはスマホ向けで世界シェアの7割を握る画像センサーだ。車載向けのシェアは9%にとどまっている。ビジョンSでセンサーに対する顧客ニーズを深掘りし、開拓を本格化する。

■車載用画像センサー、歴史と経験で迎え撃つ米国勢

「ソニーをリスペクトするが、こちらは車載向けで培った歴史と経験がある」。迎え撃つのは車載画像センサーで50年以上の歴史を持ち、45%のシェアを握る米オン・セミコンダクターなどの老舗企業だ。

車載画像センサーでは、明暗差のある映像を撮影する技術と、発光ダイオード(LED)照明の撮影時に画面をちらつかせない技術が求められる。2つの課題は個別での対応は可能だが、両立させるのが難しいという。

例えば、画面のチラつきはLEDが高速で点滅するために発生する。その対処法はカメラの露光時間を長くすることだ。一方、白飛び対策は露光時間を短くする必要がある。通常はこのジレンマを2種類の画素を使って解決しようとするが、2種類の画像データを組み合わせる際に不具合が発生することがある。

オンセミは画素そのものの構造を工夫し、1つの画素で2つの課題を解決できることに成功した。同社の画像センサーはSUBARUの先進安全システム「アイサイト」の新世代で採用されるなど、着々と足場を固めている。

■悪天候に強いミリ波レーダー

逆光などの影響を受けやすい画像センサーの弱点を補完する形で、普及が進むのが「ミリ波レーダー」だ。マイクロ波の一種で、障害物に当たってから戻ってくるまでの時間から距離を計測する。対象物の正確な形状の検知は苦手だが、直進性が強く雨や雪など悪天候でも影響を受けにくい。

世界最大手は独インフィニオンテクノロジーズ。2005年に「シリコン・ゲルマニウム・カーボン」という素材を採用したミリ波レーダー向けの半導体を世界で初めて量産したことで、市場開拓で先行した。従来使われていたガリウム・ヒ素と比べて製造コストを大幅に抑えられるという。

現在、ミリ波レーダーの大衆車1台当たりの搭載数は3個程度、高級車でも6個程度だ。自動運転が本格普及すると1台当たり15個前後が取り付けられることになる。多くの車がレーダーを発することで、レーダー同士が干渉し合う可能性があり「ノイズを回避する技術開発が今後のテーマとなる」(インフィニオンテクノロジーズジャパンのオートモーティブ事業本部の降矢知隆部長)という。

車内の見守りにミリ波レーダーを活用しようとする機運も高まっている。特に期待されているのは、幼児の車内への置き去りの防止だ。19年、米国では自動車に幼児の置き去りを防ぐ機能の搭載を義務化する法案が連邦議会に提出された。欧州でも自動車の安全性を評価する機関「EuroNCAP」でも同機能の搭載を評価の項目に加えようとする動きがある。

自動車部品大手アルプスアルパインは4月、スウェーデンのスタートアップのアコニア社と提携した。低消費電力のミリ波レーダーを開発する。泉英男執行役員は、「ミリ波レーダーは消費電力が小さく、車のエンジンを切った後でも車内を見守れる」と語る。

運転手の居眠り検知などでカメラを活用する動きが広がっているが、「撮影の精度が落ちる夜間は毛布にくるまった幼児を認識するのは困難だ」(泉執行役員)。ミリ波レーダーは人の心拍などの微小な動きを検知し、車内環境に左右されずに見守れる。

■LiDAR、小さな物体でも検知

カメラやミリ波レーダーとともに自動運転の「三種の神器」とよばれるのが、3次元センサーの「LiDAR」だ。物体の距離を計測する基本的な仕組みはミリ波レーダーと同じだが、波長の短い赤外線のレーザー光を活用して小さな物体でも検知できる。3次元の地図の作製にも使われる。

「モーターを使わなければ数万円から数十万円に価格を抑えられる」。東芝が7月に開いたLiDARの技術説明会で、崔明秀上席研究員はこう説明した。

従来のLiDARはモーターで機器を回転させて360度の方向にレーザーを照射する方式が主流だった。ただ、複雑な構造の装置は1台当たり数百万円規模にのぼり、自動運転の実験車両や地図データを取得するための作業車両などに用途がとどまっていた。東芝は駆動部分を半導体に置き換えた「ソリッドステート」と呼ばれる技術を用いた製品を開発する。

LiDARは京セラやパイオニアなども参入し、低価格化だけでなく小型化を巡る争いもある。

半導体大手のルネサスエレクトロニクスはカナダのスタートアップのレダーテックに半導体を提供。カナダで運行される自動走行のシャトルバスへの採用が決まった。ソリッドステートの出現で、LiDARが一気に普及する道筋が開いた。

矢野経済研究所によると、自動運転向けのLiDARの市場規模は20年に24億円にとどまるが、2030年には4959億円と200倍に拡大する。成長市場を取り込もうと各社が参入。専業のスタートアップ企業の数は、世界で100社前後にのぼるとされ、乱戦模様も呈している。

画像センサー、ミリ波レーダー、LiDARのいずれのセンサーが「車の目」で天下をとるのか――。ある部品会社の技術者は「どのセンサーにも長所と短所がある。より安全な車を造るには複数の方式のデータを融合することが重要だ」と話す。日清紡ホールディングス(HD)子会社のJRCモビリティ(東京・中央)はカメラ画像とミリ波レーダーのデータを組み合わせ、3次元の位置情報と速度情報を同時に検出する技術を20日に一般公開する国内最大級の家電・IT見本市「CEATEC」で展示する。

完全自動運転は20年代半ばから30年ごろに本格化するとされる。各社は来るべき出番に備え、「三種の神器」の目力を磨いている。

(企業報道部 広井洋一郎、矢尾隆行、菅野気宇)

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