メニューを閉じる
2020年11月27日(金)
6501 : 総合電機
東証1部(優先)
日経平均採用 JPX日経400採用

【総合電機首位】技術力に定評。事業入れ替えで構造改革推進。

現在値(15:00):
4,087
前日比:
+24(+0.59%)

ホンダ、F1「完全撤退」は必然か

日経ビジネス
2020/10/8 2:00
保存
共有
印刷
その他

日経ビジネス電子版

ホンダは2日、2021年シーズンを最後に自動車レースのフォーミュラ・ワン(F1)から撤退すると発表した。同日開いたオンラインでの記者会見で、八郷隆弘社長は「新たなチャレンジに経営資源を傾ける」と発言。これまでエンジン開発に割いていた経営資源を、電気自動車(EV)や燃料電池車(FCV)など次世代車の研究開発領域に集中させ、50年までに二酸化炭素の排出を実質ゼロにする「カーボンニュートラル」を目指すという。

1964年の初参戦以来、撤退と復帰を繰り返してきたホンダ。リーマン・ショックの影響で2008年に福井威夫社長(当時)が3度目のF1撤退を発表したが、15年から再び参戦した。再参戦当初は苦戦が続いたものの、19年シーズンはレッドブル・ホンダが3勝を挙げ、20年シーズンも2勝。良いニュースを耳にする機会が増えてきていたところだったが、4度目の撤退を決めた。

ホンダにとってF1は、単なる広告宣伝効果のあるモータースポーツという位置づけではない。レース用車両の開発から得られる知識と経験を市販車に生かす「走る実験室」という役割も担い、極限状態に挑戦することでエンジニアを育てる意味も大きい。

ただEVやFCV、自動運転など技術開発領域のトレンドはここ数年で急激に変化。世界的な環境規制の強化により、ガソリン車に対する逆風は強まっていた。電動化や自動運転といったCASE対応を迫られ研究開発費を増やさざるを得ない状況の中、数百億円ともされるエンジン開発費用は大きな負担にもなる。

■八郷改革の総仕上げ

前回撤退を決めた08年と比べてみても、現在の事業状況はさらに厳しい。四輪事業の売上高営業利益率は20年3月期には1.5%にまで下がり、21年3月期は新型コロナウイルスの影響によりグループ販売台数は450万台と前年同期に比べ約6%減る見通し。事業の立て直しが急務で、多額の資金を必要とするF1の撤退はある意味で「必然」とも言える状況だ。

加えて、このタイミングでの撤退決断にはもう一つの理由が考えられる。八郷社長が大なたを振るって進める事業構造改革だ。これまで、英南部のスウィンドン工場の閉鎖、ケーヒンをはじめとする系列部品会社の日立製作所グループへの統合などを断行してきた。

中でも最も象徴的なのが本田技術研究所の再編だ。20年4月に研究所の四輪部門を切り離しホンダ本体に統合した。開発部門を別会社にする独特のスタイルを60年続け不可侵領域ともなっていた技術研究所。ホンダのDNAとも言える領域にメスを入れた。

八郷社長にバトンを渡した伊東孝紳・前社長の任期は09年から15年までで、その前の福井氏は03年から09年までと、6年での社長交代が続いている。15年6月に就任した八郷社長は今年が6年目で、一連の改革の総仕上げの時期に差し掛かっている。

ホンダにとっては、F1は研究所と並んで象徴的な存在。撤退のアナウンスをすれば、社内外から反発の声が上がることは避けられない。だからこそ決断を先送りして次期社長に託すのではなく、八郷社長が自ら「汚れ役」を引き受けているようにも見える。

1992年の撤退後には「オデッセイ」(94年)や「ステップワゴン」(96年)、2008年の撤退後には「N-BOX」(11年)と、ヒット商品を世に送り出し何度もF1の舞台に舞い戻ってきたホンダ。ただ、今回は「再参戦は考えていない」(八郷社長)と、「完全撤退」になりそうだ。F1に投じていた力を次世代車開発に振り向け、巻き返しを図れるかどうか。次のレースではさらに厳しい戦いが待っている。

(日経ビジネス 橋本真実)

[日経ビジネス電子版 2020年10月6日の記事を再構成]

日経ビジネス電子版セット

週刊経済誌「日経ビジネス」の記事がスマートフォン、タブレット、パソコンで利用できます。雑誌発行日の前週の水曜日から順次記事を公開。日経電子版とセットで月額650円OFFです。

お申し込みはこちら

保存
共有
印刷
その他

関連企業・業界 日経会社情報DIGITAL

電子版トップ日経会社情報デジタルトップ

ニュース(最新)  ※ニュースには当該企業と関連のない記事が含まれている場合があります。

1211件中 1 - 25件

  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5
  • 6...
  • 次へ
【ご注意】
・株価および株価指標データはQUICK提供です。
・各項目の定義についてはこちらからご覧ください。

便利ツール

銘柄フォルダ

保有している株式、投資信託、現預金を5フォルダに分けて登録しておくことで、効率よく資産管理ができます。

スマートチャートプラス

個別銘柄のニュースや適時開示を株価チャートと併せて閲覧できます。ボリンジャーバンドなどテクニカル指標も充実。

日経平均採用銘柄一覧

日経平均株価、JPX日経インデックス400などの指数に採用されている銘柄の株価を業種ごとに一覧で確認できます。

スケジュール

上場企業の決算発表日程や株主総会の日程を事前に確認することができます。

株主優待検索

企業名や証券コード以外にも優待の種類やキーワードで検索できます。よく見られている優待情報も確認できます。

銘柄比較ツール

気になる銘柄を並べて株価の推移や株価指標(予想PER、PBR、予想配当利回りなど)を一覧で比較できます。

  • QUICK Money World