【造船大手】三井系重工業の中核。機械・プラント部門など強化。
造船大手三井E&Sホールディングス傘下の三井E&Sマシナリー(東京・中央)は30日、港湾クレーンの点検にドローン(小型無人機)を使う実証実験を行ったと発表した。地図関連サービスのゼンリンデータコム(東京・港)と共同で鹿児島県志布志港で実施した。2020年度中にシステム開発を完了、21年度にもサービス化し、現場の人手不足に対応する。
7月21~22日の2日間、志布志港に設置されている港湾クレーン2基の点検をドローンで実施した。点検ではドローンで画像を撮り、人工知能(AI)で画像解析をしてさびの発生を検証した。ゼンリンデータコムがドローンの撮影やAIの画像解析などを担当した。
これまで点検作業車などを使って作業員が80メートル程度の高所なども目視していたが、技術者不足が深刻になり、検査精度のばらつきも目立っていた。ドローンを活用することで、これまで目視で1~1.5日かかっていた点検作業が半日程度に短縮できるという。
最近では橋梁点検などでもドローン活用が進んでおり、港湾クレーンなどでも同様に使えると判断した。現在目視の点検データはクラウドシステムで管理しているが、今後ドローンでとった画像も連携させる。撮影したさびなどのデータと港湾クレーンの3D(3次元)モデルを連携させることで、全体のさび状況の傾向もつかんで事故予防につなげるなど、自社のサービス事業も拡大する。