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東南アの日系小売り、主役はドンキ タイ伊勢丹は閉店

小売り・外食
東南アジア
2020/9/25 20:01 (2020/9/26 4:18更新)
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東南アジアで日系小売りの勢力図が変わりつつある。三越伊勢丹ホールディングスはタイ・バンコクの旗艦店を閉店した。代わって台頭したのが2017年に進出したディスカウントストア「ドン・キホーテ」だ。東南アでノウハウを蓄積し、海外売上高を10年間で約9倍の1兆円に増やす計画だ。背景には新型コロナウイルスの影響などによる低価格志向に加え、コロナ前の訪日ブームも影響していそうだ。

閉店するバンコク伊勢丹のまえで記念撮影するタイ人買い物客(8月31日、バンコク)

閉店するバンコク伊勢丹のまえで記念撮影するタイ人買い物客(8月31日、バンコク)

「28年間のご愛顧、ありがとうございました」。最終営業日の8月31日、イセタン・タイランドの青山誠司社長は店頭で深々と頭を下げた。1990年代のアジア通貨危機を乗り越え、一等地にありながらも近年は集客に苦しんだ。20年3月期の売上高は前の期比7%減の44億2700万円、最終損益は7億5200万円の赤字に転落した。

百貨店は東南アの他国でも厳しい。三越伊勢丹はシンガポールでは20年3月期まで2期連続で最終赤字で、3月にはジュロンイースト店を閉鎖した。高島屋もタイやベトナムで赤字が続く。19年には東急百貨店がバンコク郊外の店舗を閉じた。

日本の百貨店各社が東南アに進出したのは80年代。「良いモノは高くても売れる」が合言葉だったが、この手法が通用しなくなってきている。

例えばバンコク伊勢丹。特に低迷したのが主力のアパレルだった。日本での2~3倍の価格が主流で、「タイの中間層ではとても手が届かない。他の商品も含め、照準を富裕層に絞りすぎていた」(業界関係者)。

くしくも、閉店して静まりかえる伊勢丹の向かい側。3月末にオープンした「ドンドンドンキ」のタイ2号店に家族連れが続々と吸い寄せられていく。「日本のモノを買いたいときに来る。値段も比較的リーズナブルね」。地元在住のスダラートさん(65)は笑顔だ。

「ドンドンドンキ」は出店を拡大(写真は2019年2月、タイの1号店)=三村幸作撮影

「ドンドンドンキ」は出店を拡大(写真は2019年2月、タイの1号店)=三村幸作撮影

ドンドンドンキは日本で「ドン・キホーテ」を運営するパン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(PPIH)が東南ア向けに出店した業態だ。17年12月にシンガポールに東南ア1号店を開き、既に同国で8店舗、タイで2店舗を展開する。

店内はおなじみのメロディーが流れ、棚にはぎっしりと商品が詰め込まれている。山積みにされたチョコレート菓子「ジャイアントカプリコ」は13バーツ(約44円)の安さ。一般的には日本よりも5割前後高い商品が多いが、生鮮食品からコスプレ用品まで日本のドンキさながらの光景が広がる。

PPIHは東南アを足がかりに、20年6月期に1151億円だった海外事業の売上高を、30年6月期に1兆円に伸ばす計画だ。

日本の商品を日本ならではの手法で売る――。百貨店もディスカウントストアであるドンキも攻め方は同じだが、明暗が分かれているのはなぜか。理由は大きく2つだ。

第1に東南アジアでも急速に広がる低価格志向だ。豊かな中間層が増える一方、足元の新型コロナで消費者は財布のひもを固くしている。東南アは日本と違って若者も多い。国連の推計によると、19年には東南アジア人口の5割を30歳未満の若者が占めた。こうした市場の状況は高級志向の百貨店には痛手となる。

「日本製品に対する良いイメージはあるものの、景気低迷で消費者は低価格志向を強めている」。小売業に詳しいタイのコンサルティング会社、シャイニング・コンサルトのジラター・アッカニタット氏は指摘する。

こうした傾向は地場大手にも共通する。百貨店を70店舗強持つタイの小売り最大手、セントラル・グループなども最近の出店はショッピングモールが主流だ。東南アの主要国における19年の百貨店売上高はシンガポールが前年割れで、マレーシアも戻りが鈍い。

第2に、ここ数年の訪日ブームも影響していそうだ。日本のドンキは定番の観光スポットで、それをきっかけにドンキのファンになる消費者も多い。「新型コロナで旅行に行けない分、現地の店舗で日本を感じにくるお客も多いようだ」(タイのエコノミスト)。迷路のような店舗や多彩な品ぞろえによるサプライズ感もドンキの強みだ。

現在はディスカウントストア業態では目立った競合は見当たらない。ただ、今後は地場小売りとの競争も発生しそうだ。

大手各社は空間の楽しさを演出するショッピングモールに力を入れる。タイのセントラルはタイで年に2~5店舗の出店を続ける計画。ザ・モール・グループは23年までにバンコクでコンサート会場などを併設した高級モールを2つ建設する。日本のイオンモールも23年にはミャンマー1号店も含めて東南アジアで16カ所を展開する方針だ。

新型コロナの影響が続く中、商業施設間の競争は激しさを増す。百貨店に代わって日本勢の主役に躍り出たドンキが思惑通りに勢力を広げられるのか。挑戦は始まったばかりだ。

(バンコク=岸本まりみ、東京=河野祥平、伊神賢人)

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