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企業統治の根幹に疑義 議決権不適切集計

金融機関
2020/9/24 23:00 (2020/9/25 5:17更新)
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総会時期の集中による弊害を放置してきた結果、投資家に不利益が生じている

総会時期の集中による弊害を放置してきた結果、投資家に不利益が生じている

信託銀行による議決権の不適切な集計は、上場企業の約3割に及ぶ事態となった。日本の株主総会の運営に疑義を投げかけており、三井住友信託銀行幹部は24日の会見で「資本市場の参加者に迷惑をかけた」と述べた。総会時期の過度な集中がもたらす弊害を放置してきた結果、投資家に不利益をもたらしている。総会は企業統治の根幹で、分散や電子化が急務だ。

問題の原因となったのは「先付け処理」と呼ぶ手続きだ。三井住友信託は株主総会が集中する繁忙期の間、事務負担を軽減するための「現場の知恵」(海原淳取締役)として、郵便局と協議の上、到着日より1日早く行使書を受け取っていた。

行使書の到着は期限の日時が決められている。この手続きでは、期限の翌日の行使書が期限内に届くにもかかわらず、期限後の到着として処理していた。民法は郵送などでの意思表示について、相手への到着時点で効力が発生すると定めている。今回、外部からの指摘を受けて弁護士などに確認したところ、法律に従った手続きが取られていないことがわかった。

東芝の筆頭株主で、7月31日の総会で株主提案したシンガポールの投資ファンド、エフィッシモ・キャピタル・マネージメントは、23日付で東芝に第三者委員会の設立を求めた。総会が公正だったか調査を求めるもので、「意図した議決権行使ができなかった株主が複数存在していることを確認した」としている。

期限間際の行使書の扱いは、これまでも不透明さが指摘されてきた。株式事務に携わる企業の役員は「海外投資家などから『行使書が数えられていないのでは』という声があった」と明かす。

議決権行使を通じ企業統治に影響力を行使する投資家が増え、薄氷で可決されるような議案は増えている。2020年6月の王子ホールディングスの総会では、買収防衛策に関する議案の賛成率が53.8%にとどまった。保育所大手のJPホールディングスでは当時の社長選任に対する賛成率が50.5%だった。議決権の集計処理が賛否をひっくり返しかねない。

「先付け」の慣行が生じた背景には、株主総会が過度に集中し、事務負担が重い問題がある。

議決権行使助言会社の米インスティテューショナル・シェアホルダー・サービシーズ(ISS)によると、年間の総会のうち、開催が多い月の比率を国ごとに比較すると、日本は7割と欧米の2~4割に比べ高い。

日本では3月期決算企業の開催が6月下旬に集中し、最も集中する週では7~8割になる。基準日から3カ月以内の開催が求められており、同時期に集中する。

総会が集中するだけでなく、招集通知の発送から総会までの期間も短い。発送は平均で総会の21日前と、総会の2週間前までに発送するルールよりは早いものの、欧米の40日以上に比べ半分程度しかない。郵送や事務委託先への指図を考慮すると、株主が1つの企業の議案を吟味する時間は3~5日程度とされる。

6月にかけては数週間で2万件を超す議案処理を迫られるケースもある。大和アセットマネジメントの佐口文章氏は「行使基準にのっとり対応しているが、全ての議案を掘り下げるのは難しいのが実情」と語る。

投資家が議案を吟味する時間を確保するため、オンラインでの議決権行使向けプラットフォームの活用が推奨されている。議案の検討に郵送の2~3倍の10日ほどかけられるようになるという。

経団連は9月15日、企業と投資家の対話についての議論をまとめ、プラットフォームの活用を推奨した。ただ「紙ベースと電子ベース両方の事務手続きが発生してしまう」(経団連)などの理由から、進みが遅い。企業はプラットフォームの利用料が負担になる。

運用会社にも事務負担がかかる。電子化すると運用を受託する投資家すべてから同意をとる必要があり、「投資家が多数だと難しい」(銀行系運用会社)との声がある。

企業統治改革が日本の株高を支えてきた。しかし現場が過密な実務に忙殺されていては、総会でのスムーズな議決権行使につながらない。実務の見直しや、電子化による効率化はまったなしだ。

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