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合併で国内最大のREITが誕生 統合にはデメリットも
アイビー総研代表・関大介

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REIT
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2020/9/25 2:00
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国内の不動産投資信託(REIT)の価格が伸び悩んでいる。総合的な値動きを示す東証REIT指数は6月以降、1650から1750の間で一進一退を繰り返している。

8月中旬には急騰する局面もあった。6月期決算の発表と同時に開示されたオフィス型REITの業績予想が比較的堅調だった点が好感されたためと見られる。オフィス型REITの大手は、保有している物件でテナントの退去が増えるものの、新たなテナントの入居も活発になると見込んでいる。新型コロナウイルスの感染拡大の影響でオフィス賃料の市況が悪化する懸念が強かっただけに、こうした見通しを受けて投資家に安心感が広がった模様だ。

半面、商業施設やホテルに特化したREITや、これらの用途の物件にも投資している総合型のREITの価格はさえない。コロナ禍による業績悪化の懸念が投資家に依然として強く残っているからだ。これらのREITの価格低迷が影響して、全体の値動きも伸び悩んでいると見られる。

■注目を集めたREITの大型合併

このような状況の中、三菱商事系の2つのREITの合併が8月28日に発表されて、注目を集めた。合併するのは、商業施設に特化した日本リテールファンド投資法人(8953)とオフィスビルを中心に投資しているMCUBS MidCity投資法人(3227)。2021年3月1日付で合併し、名称を日本都市ファンドに変更する。

この2銘柄は、三菱商事とUBSがスポンサーで、資産運用会社は同一だ。いわば、身内同士の合併である。資産規模は日本リテールが9000億円弱で、ミッドシティは3000億円弱。合併時には資産規模で現在首位の三井不動産系の日本ビルファンド投資法人(8951)を抜き、国内最大のREITになる。

■軽視できない合併のデメリット

この合併で投資家はどのような恩恵を受けるのだろうか。合併についての説明会の資料には、様々なメリットが記載されている。その中で最も明確なメリットは、合併に伴って分配金が増えることだ。ミッドシティを保有している投資家の場合、合併後最初の決算期となる21年8月期の分配金は、合併前の20年6月期に比べて11%強増える見込みだ。

合併によって時価総額が大きくなり、投資できる機関投資家が増える点もメリットだ。機関投資家の購入によって、REITの価格が上昇する余地が広がる。資産規模や出資額の規模が拡大することで、保有物件の入れ替えがしやすくなるという利点も大きい。

一方で、明確なデメリットもある。資産規模や時価総額は確かに拡大するが、商業施設に特化した日本リテールとオフィスビル主体のミッドシティでは保有物件の用途が異なる。このため、合併後は総合型にならざるを得ない。その結果、保有物件に特色のないREITになってしまう恐れがある。

一つのREITに収益の特性が異なる物件が存在すると、特定の不動産の賃料市況が改善した際に、その追い風に乗りにくくなる面もある。例えばオフィス賃料の市況が改善すれば、投資家は総合型よりもオフィスに特化しているREITを選好する。現在のように保有物件の種類によって賃料収入の好不調が分かれている状況では、総合型は選ばれにくい。

また投資家の買い意欲が弱く、REIT全体の市況が低調であるため、合併による時価総額のスケールメリットは限定されるだろう。

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■身内REITの合併が相次ぐ?

2008年に起きたリーマン・ショックの後には、REITのスポンサーとなっている不動産会社などが経営難に陥り、別のスポンサー企業によるREITの救済合併が相次いだ。今回のコロナショックでは、そうした状況には至っていない。今後合併が続くとすれば、今回のような同一の運用会社による成長を志向した身内REIT同士の組み合わせが多くなるだろう。価格が低迷しているREITが多い現状においては、身内の合併によるスケールメリットが期待されやすい面があるからだ。

ただ、前述したように合併に伴うデメリットも存在する。合併するREITの保有継続や新規購入は、運用会社が示すメリットだけでなく、保有資産の分散で生じるデメリットも考慮しながら、慎重に検討することが必要だ。

不動産投資信託(REIT)は、インカムゲイン狙いの投資家に人気のある投資商品。オフィスビルやマンションなどの不動産物件に投資し、賃料や不動産の売却益を得て、それらの収入から分配金を投資家に還元する。分配金を定期的に受け取るインカムゲインだけでなく、REIT自体の価格が上昇すれば、売却益によるキャピタルゲインを得ることもできる。この連載では最新動向をREITウオッチャーの関大介氏が解説する。

関大介(せき・だいすけ)
不動産証券化コンサルティング及び情報提供を行うアイビー総研代表。REIT情報に特化した「JAPAN-REIT.COM」(http://www.japan-reit.com/)を運営する。

[日経マネー2020年11月号の記事を再構成]

日経マネー 2020年11月号 年末高の波に乗れ! 年後半の稼ぎ方&勝負株

著者 : 日経マネー
出版 : 日経BP (2020/9/19)
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