【外食大手】東京・神奈川が地盤。複数業態を展開する。
外食大手のコロワイドは、8日までの敵対的TOB(株式公開買い付け)によって出資比率を19%から47%に引き上げた定食チェーン、大戸屋ホールディングス(HD)の新社長にコロワイドの蔵人賢樹専務を就任させる方針だ。同社の蔵人金男会長の長男。業績不振が続く大戸屋HDの再建を主導する狙いがある。
コロワイドは大戸屋HDに臨時株主総会の開催を求めており、大戸屋HDは11月4日を軸に調整している。
大戸屋HD現社長の窪田健一氏など現在の取締役10人の解任と、蔵人氏や大戸屋HDの創業家出身の三森智仁氏ら7人の新任を求める株主提案を出した。臨時総会で人事案を可決した後、取締役会で正式に蔵人氏の社長就任を決める方針だ。
蔵人専務は2010年にコロワイドに入社し11年に取締役、16年に専務になった。コロワイドグループの食材調達や加工などを担うコロワイドMDの社長も務めた。
コロワイドは当初、取締役候補を大戸屋HDの会社提案として一本化することを模索していた。ただ協議の結果、大戸屋HDは会社提案は出さず、臨時総会ではコロワイドの株主提案のみ審議することになりそうだ。コロワイドは9日時点で現在の取締役11人全員の解任を求めていたが、16日に山本匡哉氏が続投する内容に修正した。
コロワイドの株主提案修正を受けて、大戸屋HDは16日、「株主の判断に委ねることになるが、取締役会で検討する」とコメントした。
大戸屋HDは2020年3月期に連結最終損益が上場来初の赤字になるなど業績が悪化している。コロワイドは大戸屋HDの経営陣を刷新し、再建を急ぐ考えだ。