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ソフトバンクG、英アーム売却決定も待ち受ける難路

ソフトバンク
日経ビジネス
2020/9/18 2:00
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英アームについて決算説明するソフトバンクグループの孫正義社長(2017年、東京)

英アームについて決算説明するソフトバンクグループの孫正義社長(2017年、東京)

日経ビジネス電子版

ソフトバンクグループが半導体設計の英アームを米エヌビディアに売却すると発表した。売却額は最大400億ドル(約4兆2000億円)。アームを2016年に約3兆3000億円で買収してから4年。ソフトバンクGは価値を1兆円近く増やした格好だが、無事に取引を完了させるまでの道のりは険しそうだ。

「インテルやクアルコムのようなシナジー(相乗効果)がすぐ見える会社が買いに来るというのは独占禁止法上成り立たない」

16年7月、ソフトバンクGがアームを買収すると発表した直後の決算説明会。孫正義会長兼社長はこう語り、シナジーが直接的に見えないからこそ「無風状態で買いに行けた」と強調した。

それから4年、ソフトバンクGがアームの売却先に選んだのはシナジーが見えやすいエヌビディアだった。コンピューター内で映像を描画する半導体「GPU」を手がける企業として1993年に創業したエヌビディア。大量の同じ処理を並列に実行できるGPUの特性を生かして2015年ごろからAI(人工知能)の学習や推論での利用を促進したことが功を奏し、売上高も株価も上昇。20年7月には時価総額で米インテルを抜き、米国の半導体メーカーとして首位に立った。9月14日時点の時価総額は3176億ドル(約33兆3500億円)に達する。

「アームとともにAI時代の最高峰のコンピューティング企業となる」。エヌビディアのジェンスン・ファンCEO(最高経営責任者)は日本時間14日に開いた電話会見でこう意気込んだ。

アームは、半導体に形成するCPU(中央演算処理装置)などの回路の設計図や、プログラムから見たCPUの仕様(「命令セットアーキテクチャー」と呼ばれる)を半導体メーカーにライセンス提供する企業。スマホや家電などの心臓部の半導体のほとんどがアームのCPU仕様を採用していることで知られる。エヌビディアも任天堂の主力ゲーム機「ニンテンドースイッチ」に供給する半導体や自動車向け半導体にアームのCPUを採用している。

理化学研究所と富士通が開発したスーパーコンピューター「富岳」の半導体がアームの仕様を採用するなど、家電からスパコンまでのあらゆる半導体に広がるアームのCPU。AIの処理を得意とするエヌビディアのGPUとの連携を強化することで、クラウドからロボットや家電までの広範囲にわたってエヌビディアの半導体を提供するチャンスが生まれる。エヌビディアはアームのライセンス提供の事業に自社のGPUを加える相乗効果もあると説明している。

■アームの顧客はエヌビディアの競合

ただし、この巨額買収が成立するかどうかは流動的だ。アームの顧客である米クアルコムや韓国のサムスン電子など半導体メーカーにとって、エヌビディアは競合企業に当たるからだ。かつて孫社長が語っていたように、各国の規制当局の承認を得られるかが焦点となる。ファンCEOは会見で「アームの中立性を維持する」と強調し、「ライセンス事業はこれまでとまったく変わらない」と話したが、競合メーカーがそのまま受け入れるとは考えにくい。

エヌビディアとソフトバンクGは今回の取引には「英国、中国、EU(欧州連合)、米国を含む規制当局の承認が必要」とし、取引の完了まで18カ月間かかるとの見通しを示している。半導体業界の大型M&A(合併・買収)は国家間の安全保障面での思惑が影響し、承認が得られないケースも多い。

クアルコムが同業のオランダのNXPセミコンダクターズを買収することで合意したときには、2年近くたっても中国の規制当局からの承認が得られず断念した。シンガポールに本社を置いていたブロードコムがクアルコムの買収を提案した際には、米トランプ大統領が「国家の安全を損なう恐れがある」と介入して撤回に追い込まれた。今回も英国がアームの国外流出に神経をとがらせているようだ。

ソフトバンクGはアーム全株式を譲渡する対価として、取引完了時に現金120億ドル、4430万株(最近の株価の平均値で215億ドル相当)のエヌビディア株、そしてアームが一定の業績目標を達成した場合に最大50億ドルの現金またはエヌビディア株を受け取る予定だ。この1年間で3倍近く上昇したエヌビディアの株価が今後も高い水準を維持できるかは不透明な上、エヌビディアによる買収を懸念したアームの顧客が代替手段を模索する可能性もある。買収が成立するのか、また成立したとしても、株式や成功報酬で受け取ることになっている265億ドル(約2兆7800億円)を額面通り得られるか。ソフトバンクGは落ち着かない18カ月間を過ごすことになりそうだ。

(日経ビジネス 竹居智久)

[日経ビジネス電子版 2020年9月15日の記事を再構成]

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