【アパレル大手】婦人服などで百貨店やSCに出店。プラットフォームなど非アパレル分野に注力。
東京商工リサーチは15日、2020年1月から9月14日までに上場企業が募集した早期・希望退職者数が1万100人だったと発表した。1万人を超えたのは19年(年間で1万1351人)に続いて2年連続。募集企業数は既に19年の年間(35社)より7割増の60社にのぼり、そのうち35%が新型コロナウイルスの影響を理由に挙げた。
19年は10月9日に1万人を突破しており、20年はそれより約1カ月早い。特に直近1カ月間で11社が募集を発表するなど、「新型コロナ下で雇用情勢が悪化してハイペースで推移している」(東京商工リサーチ)。同社の推測では20年は年間で70社以上、1万2千人以上に上るとみている。
19年は35社のうち約6割が直近決算の最終損益が黒字で、業績が堅調なうちに人員構成を見直す先行型の「黒字リストラ」が相次いだ。しかし20年は現時点の60社のうち、半数強の31社が本決算で赤字だった。直近四半期も含めると赤字企業は41社に上る。
業種別ではワールドやストッキング大手のアツギのグループ企業などアパレル・繊維が9社で最多だ。米中貿易摩擦が響く電気機器が8社、自動車などの輸送用機器が6社。外食は6月以降に急増し、居酒屋チェーンのチムニーなど5社が約3カ月の間に募集した。
1千人以上の大型募集はレオパレス21(約1千人)のみ。次いでファミリーマートの約800人だった。300人以下の募集が45社で全体の75%を占めた。新型コロナ下で市場環境が急変したため、一部の職種や事業所で希望退職を募る企業が多い。同社は「雇用調整助成金の特例措置の期限である12月末から来年にかけて、外食やアパレル、小売りなどで募集が増えそうだ」と話す。
00年以降で募集が最も多かったのはIT(情報技術)バブル崩壊が影響した02年の約4万人。