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オリックス宮内氏の激励「若者よ、日本を諦めるな」

日経ビジネス
2020/9/1 2:00
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宮内義彦(みやうち・よしひこ)氏 1935年神戸市生まれ。60年米ワシントン大学経営学部大学院でMBA取得後、日綿実業(現双日)入社。64年オリエント・リース(現オリックス)入社。80年代表取締役社長・グループCEO(最高経営責任者)、2000年代表取締役会長・グループCEO。14年から現職。政府の総合規制改革会議議長や経済同友会副代表幹事なども務めた。

宮内義彦(みやうち・よしひこ)氏 1935年神戸市生まれ。60年米ワシントン大学経営学部大学院でMBA取得後、日綿実業(現双日)入社。64年オリエント・リース(現オリックス)入社。80年代表取締役社長・グループCEO(最高経営責任者)、2000年代表取締役会長・グループCEO。14年から現職。政府の総合規制改革会議議長や経済同友会副代表幹事なども務めた。

日経ビジネス電子版

新型コロナウイルスの猛威は、日本が抱える様々な課題や欠陥を明らかにしました。世界の秩序が変わろうとする中、どうすれば日本を再興の道へと導けるのか。今回は規制改革をライフワークとしてきたオリックスの宮内義彦シニア・チェアマンです。

――先日、ユーグレナの出雲充社長にも「コロナ禍からの日本の再興」というテーマで取材に応じていただきました。「日本は変革できないまま『失われた30年』を迎えてしまった。今さら何も変わらない」と達観していたのが印象的でした。1990年代半ばから政府の民間委員として規制改革に取り組んできた当事者として、出雲さんの心境にどう応えますか。

「政府が寝ていようと、頑張っていようと、社会は刻々と動いていきます。特にエポックメーキングな出来事があれば、大きく動きます。コロナ禍は間違いなくエポックメーキングな出来事です。終息すれば、世の中の風景が以前と違って見えるのは間違いありません」

「日本の残念なところは、こうした社会の動きに引きずられるようにして、やむなく古くなった制度や規制などの社会システムを変えていることです。本来であれば政府がもっと先見性を働かせて能動的にシステムを整え、新しい方向に社会をけん引することが求められます。これをやれると素晴らしい国が出来上がります」

「ところが日本の場合は『先見型』ではなく、『引きずられ型』なので、必要最低限しかシステムが変わりません。だから出雲さんをはじめとする若手の皆さんは焦燥感や絶望感を抱くのではないでしょうか。しかし、このようになるのが本当の日本の姿でしょうか。社会の構造を変えていけば変わるはずです。諦めてほしくはありません」

――宮内さんは政府の民間委員として、引きずろうとしてもビクとも動かせなかった岩盤規制に何度も直面したのではないですか。例えば保険診療と自由診療を併用する混合診療を解禁しようとしましたが、いまだに実現していません。あるいは宮内さんは直接関わっていませんが、自家用車で乗客を運ぶライドシェアも日本では禁じられたままです。

「そう。引っ張ろうとしてもビクとも動かない部分が存在する。それはまさに日本にとっての大きな損失です」

――実際に官僚や族議員、既得権益を持った業界の強烈な反対に遭って、規制改革が頓挫してしまったご経験は多いのでしょうね。

「はい。私は、官僚制度が元凶の1つだと思っています。それは現行の社会システムを維持するための機構であり、新しいシステムをつくるようには機能していません。現状を維持したいという勢力と結び付いて、様々な変化を拒否します。自身の権限や業界の権益ではなく国民の利益あるいは消費者の利便性を第一に考えないと、いつまでたっても引きずられ型からは脱却できないでしょう」

「日本の官僚機構には問題点がもう1つあります。中央省庁ごとに、たこつぼ型の組織構造となっていることです。確かに1つひとつのたこつぼをのぞき込むと整合性がとれています。ただし、全体を総合的に見る機能がありません。それぞれが独自の庭で動いており横串が通っていない。縦割りだけでなく、オールジャパンで考えて実行する組織が必要です」

数多くの岩盤規制に跳ね返された宮内氏(写真:的野弘路)

数多くの岩盤規制に跳ね返された宮内氏(写真:的野弘路)

――2001年の中央省庁再編では厚生省と労働省が統合して厚生労働省が誕生し、郵政省と自治省、総務庁が統合して総務省になるなど、中央省庁の統合が進みました。

「たこつぼのサイズを大きくしたにすぎないのでは。例えば厚労省というたこつぼをのぞき込めば、旧厚生省と旧労働省の部門がそれぞれに動いています。たこつぼをより大きなたこつぼの中に納めた入れ子構造にしただけです。そのたこつぼの中をさらに凝視すれば、課という小さなたこつぼが見えてきます。しかしそれぞれの課は大きな権限を持っており、課長や課長補佐がノーと言えば、それが国の方針になることが少なくありません」

■「Go To トラベル」の愚策に陥ったワケ

――首相の指導力には期待できませんか?

「首相は省庁への指揮権を事実上持っていないと言っていいでしょう。各大臣は首相に罷免されない限り、それぞれのたこつぼの中で強い権限を握り続けることができます」

「だから厚労省が新型コロナの感染予防策として密集した場所を避けるよう呼びかける一方で、国土交通省が国内旅行の代金を補助する『Go To トラベル』キャンペーンで外出を促すような矛盾した政策を打ち出すわけです。小池百合子都知事が言う通り、『冷房と暖房を同時にかけている』状況です」

「内閣も調整機能を十分に発揮できておらず、省庁間の横連携がないままで国民はなかなか納得できません。コロナ禍という国難においてもオールジャパンの姿勢をとれていない日本政府に対して、『どうなっているんだ』と憤る国民が増えているはずです」

――解決策はありますか?

「4つほど考えられます。1つ目は横串の役割が期待されている内閣府特命担当相の権限強化です。現在は例えば特命担当相として新型コロナ対策を担う西村康稔経済財政・再生相が主導して何らかの手を打とうとしても、厚労相にノーと言われたら事実上それで終わりとなってしまいます」

「2つ目の解決策は、各大臣に強い権限を与えている厚労省設置法や国交省設置法といった縦割りの法律体系の見直しです。3つ目の解決策として、各省庁が民間人の知恵をより積極的に取り入れるべきです。そのためにも民間企業が導入を進めようとしているジョブ型の雇用制度を採用して、官民の間で雇用を流動化すべきです。新卒採用されてから数十年間にわたって同じたこつぼの中で過ごさせるのではなく、幅広い知見と専門性を持った人材を育成し登用すべきです」

「そして憲法の改正も視野に、首相の指導力を大きくするのが4つ目の解決策です。一方で首相に大きな権力を持たせることは、権力の集中という別の懸念が生じます。それには国政を十分ウオッチするガバナンスの強化、特に野党の役割やマスコミなどの信頼に足るけん制機能が求められます。要は有能な政治家を輩出する国民の能力が試されます」

(日経ビジネス 吉野次郎)

[日経ビジネス電子版 2020年8月28日の記事を再構成]

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