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富士電機、EV部品に活路 半導体投資上積みも

コラム(ビジネス)
エレクトロニクス
自動車・機械
2020/8/25 2:00
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NIKKEI BUSINESS DAILY 日経産業新聞

半導体製造の前工程を担う富士電機の山梨工場(山梨県南アルプス市)

半導体製造の前工程を担う富士電機の山梨工場(山梨県南アルプス市)

富士電機が好調な電気自動車(EV)向け電子部品の需要取り込みを急いでいる。同分野のパワー半導体向けに2023年までに1200億円を投じるほか、従来主に鉄道向けだった電気式部品をトヨタ自動車の自動運転のEVに初めて納入する。新型コロナウイルスの影響で産業向け機器が落ち込む中、EV需要を成長のカギと位置づける。

昨年の中期経営計画では、23年度までに売上高1兆円、売上高に占める営業利益率8%の到達目標を示した。6日に開催した同社の株主総会。コロナ下でも集まった36人の株主からは19年度の業績不振に懸念の声が上がったが、北沢通宏社長は「必ずや1兆円を達成する」と力を込めた。

19年度の売上高は前期比1.6%減の9006億円、営業利益率は4.7%と前期から1.9ポイント落ち込んだ。同社にとって1兆円は「何度も挑戦している」(北沢社長)悲願の数値だが、中計達成には今後3年間で約1000億円の増収が必要になる。

だが北沢社長には勝算がある。根拠の一つは、好調な自動車向けパワー半導体事業。同社の20年4~6月期の決算は新型コロナによる世界的な設備投資意欲の減退で減収となったが、パワー半導体を含む電子デバイス事業に限るとEV向けパワー半導体が下支えし増収だった。同事業は先行投資や為替の影響で営業減益だったが、売上高営業利益率は約10%と高い。不況下でも受注額は前年同期比で5割増だという。コロナ禍が自動車販売に響くが、富士電機の製品は4~5年後に発売される車種に採用されており、長期的に成長が続くと見込む。

先々の成長を見据え、同社はパワー半導体事業で23年度までに計1200億円を投資する計画。19年度は約300億円を投資。自動車向け半導体の前工程を担う山梨工場の生産能力を強化したほか、後工程を担う国内外4拠点にも投資した。さらに株主総会で北沢社長は「追加投資も検討している」と明らかにした。

鉄道など他産業に納入していた電子部品の販路をEVにも広げる。同社の鉄道車両向けの実績のあった電気式ドア駆動システムが、このほどトヨタの自動運転のEV「イーパレット」に採用。鉄道車両以外の分野での採用は初めてで、海外含め約1万車両に納入してきた信頼性が受注の契機となった。イーパレットは21年に延期された東京五輪・パラリンピックで選手村内を巡行し、大会関係者や選手の移動に使われる予定だ。

富士電機がドアの開閉システムを担当するトヨタのEV「イーパレット」

富士電機がドアの開閉システムを担当するトヨタのEV「イーパレット」

ただEV関連が好調とはいえ自動車向け半導体事業の売上高は388億円と、現状は全体の4%にすぎず「3年で1000億円増収」のハードルは高い。EVの販売台数調査サイトのEVsalesによると、19年の販売台数は前年比9.4%増の約220万台だった。しかし、米ブルームバーグNEFによればコロナ禍の自動車販売不振で、20年のEV販売台数は前年を18%下回る予想だ。年間100万台以上が売れるEV大国の中国の市場動向が同社の新戦略にも大きく左右しそうだ。

目標達成にはやはり、売上高の3割以上を占める中核事業の工場向け制御システムなどの成長が不可欠だ。株主総会では、コロナ禍で4~6月期の売上高が前期比の7割弱まで急落した自動販売機事業に対して変革を求める声もあがった。自販機業界ではすでにパナソニックが撤退を決め、サンデンホールディングスも同事業をファンドに売却。一方残った富士電機は「総合的な技術力で有利でむしろチャンスだ」(北沢社長)と捉えている。各分野で産業界の新常態にいち早く順応し、収益につなげる必要がある。

(企業報道部 加藤敦志)

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