【総合電機首位】技術力に定評。事業入れ替えで構造改革推進。
【ドバイ=岐部秀光】中東の産油国であるアラブ首長国連邦(UAE)が同国西部に建設したバラカ原子力発電所が1日、稼働した。アラブ諸国では商業化した初の原発となる。UAEは7月に初の火星探査機の打ち上げにも成功したばかり。石油に依存しない経済づくりに弾みをつける。
UAEの事実上の指導者であるアブダビのムハンマド皇太子はツイッターで「エネルギー分野における歴史的な一歩で、持続的な発展に向けた一里塚となる」と述べた。
バラカ原発は韓国電力公社(KEPCO)を中心とする企業連合が2009年に受注。フランス電力(EDF)とアレバの仏連合、日立製作所やゼネラル・エレクトリック(GE)などの日米連合に競り勝った。当初は17年の稼働をめざしたが、安全をめぐる懸念やコストの問題で延期が相次いだ。
今回、稼働したのは計画する4つの設備のうちの加圧水型の第1号機(140万キロワット級)。
UAEは湾岸屈指の産油国だが、太陽光発電にも積極的に投資する。太陽光や原発で生みだす電力を国内の需要にまわし、貴重な外貨獲得手段である原油の輸出収入を減らさないようにする。長期的にはエネルギー転換を見据えた産業の多角化を模索する。
政治的に不安定な中東での原発建設には、懸念の声もある。ヨルダンやエジプト、トルコなどもロシアの支援による原発の建設計画を持つ。原発技術を持つイランを巡っては、対立する米国やイスラエルが核武装の可能性に神経をとがらせている。
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