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2020年8月11日(火)
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【総合電機首位】技術力に定評。事業入れ替えで構造改革推進。

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東大・阪大・筑駒・高志、成長銘柄は発想力で探せ

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2020/7/4 6:00
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株式投資の銘柄選びを通し、その着眼点や緻密さを競う「日経STOCKリーグ」。ユニークさあふれる論文の中から、優秀作4つに絞って学生の奮闘ぶりを紹介する。

日経STOCKリーグ 中高生・大学生の株式学習コンテスト。チームで投資テーマを決めて仮想資金500万円のポートフォリオを組みリポートにまとめる。日本経済新聞社が主催し、野村ホールディングスが特別協力する。19年度の第20回には1726チーム、6892人が参加した。

■ものさしは企業の「自信」  最優秀賞 東京大学

(左から)太田真輝さん、大箸祐太さん、伊藤秀太さん、松田和泉さん、首藤昭信准教授

(左から)太田真輝さん、大箸祐太さん、伊藤秀太さん、松田和泉さん、首藤昭信准教授

新型コロナウイルスの感染拡大は人々の生活を変え、企業のビジネスや資本政策にもいや応なく変革を迫る。誰もが経済の海図をもたないなか、企業に必要とされるのは強力なリーダーシップと「自信」だ。コロナの拡大前に東京大学の4人が作り上げたポートフォリオは、危機を生き抜く力を秘めた企業群を見事に選び出している。

春に準備を始めてから毎週のようにテーマ案を練ってはゼミで発表し、4年生や院生の先輩から厳しいフィードバックを受けた。ボツになった案は20を超える。指導教官の首藤昭信准教授は「先輩からのダメ出しでへこんでいる4人をフォローするのが自分の仕事だった」と振り返る。最終的に「自信」をテーマに据えようと決まったのが10月、すっかり秋になっていた。

首藤ゼミはこれまで大学部門賞と敢闘賞をそれぞれ3回、入選は18回輩出している「名門」だ。「やるからには最優秀賞しか目指していなかった」(松田さん)。STOCKリーグでは今回から日経アジア300の採用企業も組み入れ対象になった。組み入れは必須ではないが「最優秀を狙うならアジア企業も入れなければ」と決めていた。

自信という曖昧な概念を株式の選別に落とし込むのは難しい。それでも、自信は企業行動に表れると考えた。例えば自信のある会社は相対的に投資が多く、かつ配当を減らす傾向があることが研究で示されている。

一方で自信が強いだけでは過剰投資や事業撤退の遅れなどの弊害もある。根拠のない自信は企業にとって障害だ。そこでリスク管理の度合いや機関投資家の保有比率などを用い、過度な自信を抑制できる企業を絞り込んだ。

最後の仕上げとして、経営者のリーダーシップの要素も加えた。ユニークなのが経営者の「顔」。企業ホームページで、ページ全体に対する経営者の顔写真の大きさの割合を点数化するなど、文字通り経営者が会社の「顔」になっている企業を評価した。

最終的に20銘柄を選び、対象企業を訪れてIR担当者と面会した。積水化学工業では経営や財務の各部門がどう連携しているか詳しく教えてもらった。「会社の意思決定のプロセスがよく分かった」(伊藤さん)、「訪問してかなり印象が良くなった」(太田さん)と手応えを感じた。

時代とともに、もてはやされる経営理論や哲学は変わっていく。それでも「リーダーが先見性をもって引っ張れる企業は強い」(大箸さん)。「東大の経済学部に一番長くこもったのは自分たち」(松田さん)と胸を張る半年間で、理想の企業像を示してくれた。

■農業をスマートに  中学部門賞 筑波大学付属駒場中学校

大山弘翔さん、池田淳一郎さん、大藤暖之さん、高橋聖さん、広瀬貞雄さん(順不同)

大山弘翔さん、池田淳一郎さん、大藤暖之さん、高橋聖さん、広瀬貞雄さん(順不同)

僕たちの中学校には、23区内の学校にしては珍しく水田がある。1年生のときには稲作をし、3年生になってからはサツマイモも育てた。非日常の楽しさはあるが、炎天下で何時間も作業したり、田植えや収穫で中腰になったりするのは骨が折れる。先生は毎年農作業をしているのに「今年は○○だから収穫量が減るかもしれない」といつも自信なさげだ。なんだか農業って「非効率」じゃないか。最先端で効率のいい「スマート農業」に変えてやろう。そんな思いのもと、クラスや部活つながりの5人が集まった。

自分たちの農業体験や学習内容を振り返ると、農業には大きく3つの問題があることが見えてきた。まずは収益性。人手不足でコストが上がっても、作物の単価は上がらないため利益を圧迫している。2つ目がノウハウの伝達の難しさだ。種をまく時期や量など、農業はそのほとんどを長年の勘と経験に依存する。これでは初心者は失敗しやすく、参入障壁の高さはまた人手不足につながる。

台風や地震など多くの災害に見舞われる日本において、自然環境に収穫量が左右される点も見逃せない。これら3つの課題を解決すれば、収益が改善し、農業従事者も増えると考えた。

選考対象にした企業には、農業に直接は関係がないものも多い。たとえば富士通やキヤノンMJのもつデータ分析の技術は、作物の生育管理を通して生産性を改善するのに役立つ。そのほか農薬の散布や畑の状況把握に使えるドローンを開発する会社や、自動運転トラクター、植物工場などの技術を持つ企業も含め71社をピックアップした。

スクリーニングに移る前に、スマート農業への理解を含めるために関連する4社を訪れた。ナイルワークス(東京・渋谷)では農薬散布用のドローンを見せてもらった。「想像よりもドローンが大きく、研究開発のエネルギーを感じた」(池田君)。その経験から研究力が最も大事だと実感し、配点を重くした。「技術の成長が農業にとって不可欠」(大山君)との思いを込めた。環境や社会への貢献度などの指標のほか、収益性などの財務面の安定も備えた19社を選び出した。

企業訪問のアポイントも全て自分たちで取った。フィールドワークの授業で企業訪問をした経験があり、アンケートの送付からアポ取り、お礼状の作成まで先生の手を借りずにこなした。それでも「電話口での敬語はまだ難しい」(広瀬君)とはにかむ。

リポート作成が佳境を迎える11月には、毎年恒例の文化祭がある。6月には準備が始まり、「2学期は頭がほぼ文化祭で埋まる」(大藤君)という一大イベントだ。昼休みなどの隙間時間やチャットでの連絡を使い、なんとか論文と文化祭を両立させた。「株は損をする可能性は怖いけど、銘柄をちゃんと調べれば投資も悪くない」(高橋君)との自信につながったようだ。

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