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「日産は信頼回復を」 株主の叱責で諭された基本姿勢

日経ビジネス
2020/7/2 2:00
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株主総会で発言する日産自動車の内田誠社長(6月29日午前)

株主総会で発言する日産自動車の内田誠社長(6月29日午前)

日経ビジネス電子版

日産自動車は6月29日、横浜市内で定時株主総会を開催した。2019年度に約6700億円の最終赤字を計上し、期末配当は無配。株価は1年前の半分に落ち、20年度以降も回復の見通しは立っていない。そんな状況で株主が問いかけたのは、経営陣の「基本姿勢」のあり方だった。

「総会の終了は11時めどということだが、質問整理券を受け取った人の質問をすべて受けてはどうか。新型コロナウイルスの心配がある中でも、6千数百億円の赤字があって、意見を述べたい人が来ているのだから」。質疑応答の冒頭、株主からそんな提案があった。

株主総会の開始は10時。日産が1時間ほどで総会を終わらせたいとした意図は、新型コロナ対策にあった。事前にオンライン中継での出席を勧め、会場では壇上の役員を減らし、お互いの距離を置いた。密室空間にいる時間はできるだけ短くしなければ、という判断だった。

会場の拍手を受け、内田誠社長兼最高経営責任者(CEO)は「できるだけ多くの質問を受けたいと思う」と株主の提案を受け止めた。結局、総会は12時近くまで続き、内田氏が設けた「1人1問、2分以内」いう質問の制限もないがしろとなった。

「業績も技術も大事だが、その前提は信頼だ。今の日産に欠けているのは信頼という言葉に尽きる」──。質問に立った株主が口にしたこの言葉が、日産の現状の厳しさを表している。内田社長はいささか傲慢だった会社の気質を変え、経営と現場、販売店やサプライヤーなどとの関係を構築していくことを改革の最重要課題として挙げる。それは株式市場、株主との関係においても言えることだ。

内田社長が株主の前に顔を出すのは、今年2月の臨時株主総会以来。当時の株価は約500円で「定時総会でも500円を割っていたら責任を取れ!」と怒号が飛んだ。今の日産の株価は400円前後。生産能力を「身の丈」に合わせるため、19年度に5000億円以上を減損計上するなどした結果ではあるが、まずは株主に対し、謝意が伝わる姿勢を取ることが必要だった。

売上高9兆円、従業員13万人を超える日産において、内田社長が「社内での信頼を取り戻さないと対外的な信頼は取り戻せない」と考えるのは道理だ。

5月に発表した事業構造改革「日産ネクスト」では、過去には慣例だった「過度なストレッチ」による経営目標からの脱却を形にした。生産能力を2割削減することで門構えを小さくし、現実的な利益を出せる体制へと仕切り直していく具体像も描いた。

ただ、それらを株主が納得し、受け入れてくれるかは話が別だ。「お見せした(計画の)内容は実行できることを形にしている。これを断行し市場の信頼を取り戻せば株価は上がってくると思う」。総会で内田氏はこう語ったが、株主からすれば、何年先のことかも分からない。

昨年の定時株主総会時は大株主の仏ルノーが日産の経営を揺さぶっていたが、今回はそんな「仮想敵」もいない。「1人1問、2分以内」といったしゃくし定規の対応ではなく、会場の換気を徹底するなどした上で、愚直かつ真摯に、株主らと向き合うことが最優先だったのではないか。

とはいえ、質問に立った株主らも優しかった。厳しい指摘の最後にも「次回の総会では(ビジネスモデルに)言及してほしい」「消滅することにならないように頑張ってほしい」いったエールがついていた。新型コロナの影響で全体需要が落ち込む市場はさらに辛辣だ。技術力、競争力をブランドにどうつなげるのか。どのような将来ビジョンを描くのか。日産の「長い旅」は、まだ行き先すら見えていない。

(日経ビジネス 北西厚一)

[日経ビジネス電子版2020年6月30日の記事を再構成]

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