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バーチャル株主総会元年 最新テックで開けそうかい?

新型コロナ
コラム(ビジネス)
スタートアップ
2020/6/22 2:00
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NIKKEI BUSINESS DAILY 日経産業新聞

2020年の株主総会はオンラインでも配信するハイブリッド型が増えそう

2020年の株主総会はオンラインでも配信するハイブリッド型が増えそう

6月下旬、3月期決算企業の株主総会がピークを迎える。だが、今年は新型コロナウイルスの感染リスクもあって「バーチャル株主総会」を開く動きが広がる。ライブ配信にとどまらず、株主の本人認証やブロックチェーン技術を使った議決権行使などリモートでも実効性や信頼性を担保する技術が登場。傍聴だけでなく会社の行く末を決める投票までオンラインとなれば経営陣には重責がのしかかる。株主との新たな対話はできそうかい?

組織運営コンサルティングを手掛ける識学は5月、ハイブリッド型バーチャル株主総会を開催した。ブレイブソフト(東京・港)が手掛けるライブ配信サービスを利用。出席した株主18人のうち、6人がオンラインで参加した。

ブレイブソフトは総会へのログインやライブ配信画面は自前で開発。登録した株主以外アクセスできない設計になっており、セキュリティを厳格にしている。

株主からは「会場にいるときよりも、パソコンの画面上のほうが社長の表情と資料が良く見える」と満足そう。識学は、「遠方に住む株主にも参加してもらえた。広い会場を用意しなくてすむのでコストも削減できそう」と来年度以降の開催も検討する。

今年2月、経済産業省は「ハイブリッド型バーチャル株主総会の実施ガイド」を取りまとめた。リアルとオンライン2つの会場を組み合わせた方式を指し、「参加型」と「出席型」の2種類に分かれる。

参加型は企業が株主に通知したIDやパスワードによる本人確認を経て、ウェブサイトなどで配信されるライブ動画を傍聴する。出席型は傍聴に加え、議決権の行使や質問ができる。ガイドラインでは経営側と株主とのスムーズな情報伝達や、確実な権利行使などを留意点にあげており、企業は対処を求められる。

■株主の本人確認 2段階認証で

コロナ禍で経団連は、来場自粛を求める内容を盛り込んだ招集通知の例を公表するなどオンラインの素地は整いつつある。実際、カプコン安川電機はガイドラインに沿ってオンライン視聴できる仕組みを導入。ともに会社法上は出席にならないため議決権行使や質疑はできないが、株主との回路は増えた。

コロナ対応のみならず会場に足を運べない株主への配慮、デジタル技術を使った分かりやすい説明という視座からもバーチャル株主総会は時代の要請。技術を頼りに開催に動く企業は増えている。

総会の動画配信には安定した通信環境が欠かせない。ウェブ会議サービスのブイキューブは、年間2500回を超えるライブ配信サポートの実績からノウハウを積んでおり、トラブル対応力が強み。例えば、通信環境が悪化した時すぐ切り替えれるよう、会場の通信環境に合わせて回線を2系統以上用意するなど、予備装置を運用する。

6月に利用を予定する企業は数十社。間下直晃社長は「9月以降に開催する企業からの引き合いもある。長期的には全上場企業の3割の利用を目指す」と腕まくりする。

動画制作・配信のCandee(東京・港)にも、配信に関し50社以上の問い合わせがあった。

リモートの場合、出席する株主が本人なのか直接確認できない。手段がなければ企業は導入しにくいが、ITコンサルティングのフューチャーは総会の企画の助言に加え、グループ会社のライブリッツが開発した本人確認システムを提供する。

フューチャーは3月末に自社のバーチャル株主総会を開いたが、事前の本人確認に手間取った。問題を受け同社が目をつけたのは、ライブリッツが手掛ける野球球団ファンサイトの会員管理システム。サイトにログインするときの認証技術を株主総会向けに転用した。

株主に届いた招集通知書にあるIDとパスワードを専用ページで入力、本人確認する。開催1時間前に総会への出席ボタンが表示され、押すと総会に"入場"できる2段階認証になっている。企業にとって株主以外が紛れ込むのは致命傷だが、厳格なセキュリティー運用で不安を取り除く。

■AIで議事録作成

出席型のバーチャル総会は会場同様、議決権行使も伴うため企業にとってさらにハードルが上がる。そこで注目されるのが、ブロックチェーン(分散型台帳)だ。

ソフトウエア開発のアステリアは、ブロックチェーンを使った議決権行使システムを提供する。ブロックチェーンは一度記録されたデータについて書き換えられない特性を持つ。取締役の承認など議案の賛否を投票する時、他の株主や第三者は改ざんできないという。

アステリアは19年、ブロックチェーンを使った議決権行使を本番適用。国内の上場企業の株主総会では初の試みだった。株主に議決権を持っていることを示すデジタル権利証を発行。権利行使の処理を台帳に記録した。

アステリアが先駆けとなったブロックチェーン技術を使ったバーチャル株主総会での議決権行使。24日に開催する同社の株主総会では質問を投稿できる機能も追加し、リモート株主との積極的な対話に動く。

人工知能(AI)の活用も見えてきた。AI開発のオルツテクノロジーズ(東京・港)は5月に金融情報サービスのフィスコと提携し、決算説明会の議事録をリアルタイムで自動作成する実証実験を始めた。株主総会の議事録作成も視野に入れる。

オルツテクノロジーズの強みは個人を識別する能力の高さ。自動で発言者を特定して会話内容を記録することができる。利用頻度を上げると個人の声や話し方のくせ、企業や業界特有の用語についてAIの学習が進み、音声認識の精度が高まる。

上場企業だけでなく、非上場企業にとっても株主総会の作業の煩雑さは悩みの種。株主が少ない非上場企業の株主総会の場合、「手続きは簡素に済ませたい」という声は多い。

スタートアップデータベースを運用するケップル(東京・渋谷)は、郵送が多かった招集通知の送付や委任状の回収をオンラインで完結できるサービスを始めた。データはクラウド上に保存され、新規株式公開(IPO)時の書類提出などに役立てられる。

神先孝裕代表は「企業側はもちろん、投資家や弁護士など士業からの反響が大きかった」と驚く。顧客企業から紙で届く大量の招集通知や委任状を処理する手間がかかっていた。ケップルには日本経済新聞社が出資している。

三菱UFJ信託銀行によると、6月総会では約90社がバーチャル株主総会を開催する予定。Zホールディングスソフトバンクグループは出席型を予定する。米国は先を走っており、米ブロードリッジによると19年は326社が導入した。西村あさひ法律事務所の辰巳郁弁護士は「コロナ後の世界の流れとして、バーチャルの運用を検討することは大きな意義がある」と指摘する。

株主総会は株主が意思表明し会社の重要事項を決議する最高機関。コロナを奇貨として株主との対話方式も変革すれば企業価値を高めることにもつながりそうだ。

(企業報道部 五十嵐沙織、山田彩未)

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