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銀行、「NO密」へ相続も遠隔手続き 手数料も安く

相続
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2020/6/16 2:00
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新型コロナウイルスの感染拡大で、銀行の店舗に足を運ばなくても相続の手続きができるサービスが注目を集めている。三井住友フィナンシャルグループ(FG)やみずほフィナンシャルグループ(8411)、マネックスグループ(8698)がウェブを使った相続サービスの提供を始めたほか、三井住友トラスト・ホールディングス(8309)はインターネット上で遺言のイメージを作れるサービスを立ち上げた。「新たな生活様式」への移行が求められるなか、対面が中心だった相続の分野にも非対面化の波が押し寄せている。

三井住友銀行の「相続手続らくらくサービス」。店舗に行かなくても各種の手続きができる

三井住友銀行の「相続手続らくらくサービス」。店舗に行かなくても各種の手続きができる

三井住友FG傘下の三井住友銀行は6月から、これまで対面で提供していた遺産相続手続きの代行サービスを非対面でもできるよう見直した。インターネットを使い、相続を受ける人が店頭を訪れなくても手続きを完了できるようにする。

三井住友銀が提供するのは、銀行が相続を受ける人の代理人になって財産の調査や換金、不動産の相続登記まで一貫して手掛けるサービスだ。状況に応じて外部の専門家などと連携し、相続人の確認も行う。

被相続人が亡くなってから相続が完了するまでには通常、半年から10カ月程度の期間を要する。所得税の準確定申告や遺産分割協議などの手続きが生じるためだ。被相続人が生前に遺言書を用意していない場合、相続人を確定したり、相続財産を把握したりする作業が別途生じるため、手続きにかかる時間は長くなる。

三井住友銀の「相続手続らくらくサービス」を使うことで、日中は店舗に行く時間がない顧客や近隣に店舗がない顧客であっても、時間や場所を選ばず手続きが行えるようになる。

同サービスで取り扱える相続資産は不動産や株式、銀行預金など。賃貸不動産や農地などは対象外だ。相続を受ける人数も配偶者と子どもの計5人以内と、対面の相続サービスに比べて絞り込んでいる。

他方、手数料は対面手続きより抑えられている。従来型のサービスでは最低報酬額が110万円に設定されていたが、相続手続らくらくサービスでは38万5000円と6割以上安い。

インターネットを使った遺産相続手続きの分野では、みずほFG傘下のみずほ信託も「Web遺産相続」を提供している。相続の対象となるのは金融資産と自宅で、最低報酬44万円から利用できる。

店頭でも遠隔での手続きを案内している(東京・千代田のみずほ信託銀行本店、10日)

店頭でも遠隔での手続きを案内している(東京・千代田のみずほ信託銀行本店、10日)

特徴的なのは顧客との連絡方法に対話アプリの「LINE(ライン)」を採用していることだ。24時間問い合わせ可能で、午前9時から午後5時までの間に担当者からの回答が得られる。個人情報を含む資料はメールでやりとりするほか、実際の書類はセキュリティーを高めた電子交付サービスや郵送で交付するため、利便性を確保しながら機密性も両立している。

実際の相続をスムーズにする遺言信託の分野でも、インターネットを使ったサービスが増えている。三井住友トラスト傘下の三井住友信託銀行は東芝デジタルソリューションズと組み、ウェブ上で相続財産などを確認できる「WEB遺言信託サービス」を提供している。

インターネット上のガイドに沿って必要事項を入力することで、遺言のイメージを確認できる。実際に遺言を作成するためには店舗を訪れる必要があるが、来店時の相談時間を抑えられる利点がある。

緊急事態宣言は全国的に解除されたが、新型コロナの収束時期はなお、見通せない。金融機関は感染リスクの抑制を目的に多くの手続きでインターネットを使うよう呼びかけている。費用を抑える観点からも、インターネットを使った相続手続きは利用が広がる可能性が高そうだ。

(三島大地)

[日経ヴェリタス2020年6月14日号]

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