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コロナ禍で大揺れ 日産・ルノー・三菱自連合の行方

日経ビジネス
2020/6/3 2:00
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三菱自動車は2016年に日産ルノー連合に加わった。新型コロナの影響で3社ともに大きく揺さぶられている

三菱自動車は2016年に日産ルノー連合に加わった。新型コロナの影響で3社ともに大きく揺さぶられている

日経ビジネス電子版

「生き残れないメーカーが間違いなく出てきて、グローバルな再編が起きる」。ナカニシ自動車産業リサーチの中西孝樹代表はこう語る。新型コロナはどのメーカーにとっても大きな打撃となったが、特に11年ぶりの最終赤字となった「日産自動車など日仏連合の動向が焦点となる」(外資系投資銀行)のは衆目の一致するところだ。

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「ルノーは消滅する可能性がある」。5月22日、フランスのルメール経済・財務相はラジオ番組でこう語った。仏政府は同社の株を15%持つ筆頭株主だ。経済閣僚がこんな表現をするほど追い込まれ、同社は約1万5000人の従業員削減などリストラを発表した。

そのルノーが筆頭株主として43%を出資する日産は、2020年3月期に6712億円の最終赤字となった。自動車メーカーや投資銀行の関係者の間では、生き残れないメーカーの代表格がルノー、日産ではないかとささやかれている。

ルノーのジャンドミニク・スナール会長は5月27日、収益改善へ協業を加速すると表明した。「経営統合は必要ない」とし、今の枠組みのまま関係を深めるという。だが、日仏連合の行方について想定しておくべきシナリオは他にもある。「世界の自動車販売は年間1000万台以上減る。協業強化ではどうしようもないほど車が売れなくなるかもしれない」(中西氏)からだ。

一つのシナリオとして、日仏連合が新たな提携先を見つけていくという流れが考えられる。外資系投資銀行の関係者らは、候補として「仏グループPSAとの経営統合を決めた欧米フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)や米フォード・モーター」の名を挙げる。日仏連合は、カルロス・ゴーン元会長時代のように販売台数を増やし続けるという目標を掲げてはいないが、次世代技術のCASE(コネクテッド、自動化、シェアリング、電動化)への研究開発資金が必要となるなど、規模が欠かせないことに変わりはない。

FCAはPSAと経営統合を決める前、ルノーと統合交渉をしていたという下地がある。両社とも前向きだったが、当時は仏政府の介入で破談に追い込まれた。その後のコロナ・ショックで「ルノーとPSAという自国メーカーを守るためなら、仏政府も姿勢を変えざるを得ない」(外資系投資銀行)というわけだ。

米フォードは1~3月期に20億ドルの最終赤字を計上、4~6月期のEBIT(利払い・税引き前利益)も50億ドルを超える赤字になる見通しと発表した。1~3月期に最終黒字を確保した米ゼネラル・モーターズ(GM)など「他社より経営が厳しいとみられており、再編を急がざるを得ない」(外資系証券)という見立てだ。

■経営トップにすきま風

もう一つ、目を凝らしておきたいのは日産が34%出資する三菱自動車の動向だ。

仏では3月、三菱商事がルノー株を10%取得する可能性があるという報道があった。三菱商事は否定したが、投資銀行筋は「あながちウソではない」との見方を示す。三菱グループとして協力関係を一歩進めるというシナリオだ。

ただ、三菱自が逆に、日仏連合から離れていく方向も考えられないわけではない。益子修会長は最近、周囲に「日産がこんなに拡大路線を歩んでいることにもっと早く気づくべきだった」と反省の弁を漏らした。益子氏に近い三菱グループ関係者は「益子会長と、スナール・内田誠日産社長兼最高経営責任者に距離ができている」と感じ始めたという。一方で、日産がこれまで警戒してきた経営統合をルノーが棚上げする姿勢を示しているためか、「スナール・内田両氏は足元で良好な関係」(日産関係者)と言われている。

三菱自が16年に日産ルノーの傘下に入った背景にはゴーン氏と益子氏の蜜月な関係があった。益子氏を信頼していたゴーン氏は引退を望んだ益子氏をトップの座に引き留め、三菱自の再生へ向かっていった。だが今、すきま風が吹き始めているかもしれない。

日仏連合はこれまでゴーン氏のもと、トヨタ自動車グループや独フォルクスワーゲンと世界販売トップの座を巡り数十万台の差の接戦を繰り広げてきた。3社合計の19年の世界販売台数は3位の約1016万台だった。だが今や拡大路線の旗を降ろしたため、年間販売が100万台強の三菱自を意地でもグループにとめおく理由が薄れてきたとも言える。三菱グループの関係者は「その場合の三菱自の行き先はトヨタだろう。それならグループとして納得できる」と話す。

三菱自とトヨタが近づくことになれば、日産とホンダを除く大手自動車メーカーがすべてトヨタグループということになる。ではホンダはどうなるのか。

ホンダは日産と違い、20年3月期も前の期比25%減とはいえ4557億円の純利益を確保した。日産よりも早く国内外の工場閉鎖に着手していた上、稼げる二輪車を持つ。前期の営業利益を見ると、二輪事業が2856億円と四輪事業の2倍近くを稼いだ。安い二輪はコロナ後の需要の落ち込みが自動車より軽微との見方が多い。

結果、ホンダはまだ切羽詰まることはないとの見方が多数派を占める。コロナ・ショックの中でも独立路線を維持できる底力があるということかもしれない。

■日産・ホンダ系が草刈り場

そして、完成車メーカーよりも再編が起きる可能性が高いと見られているのがサプライヤー業界だ。「日産系とホンダ系が草刈り場になるだろう」。銀行関係者はこう予想する。数年前から再編に着手しているトヨタの系列サプライヤーに比べ、合従連衡が遅れている。

ホンダ系ではケーヒンショーワ日信工業が19年、日立オートモティブシステムズとの統合を発表。この枠組みに漏れた駆動・排気系などのユタカ技研、シャシーのエフテック、クラッチのエフ・シー・シーといった企業が「ホンダから重要と思われていないのだろうか」と浮足立っているという。日産系では、内装の河西工業やサスペンションのヨロズ、車体用プレスのユニプレスなどの業績が厳しく、再編候補となりそうだ。

日本のサプライヤーは技術力が高いが、中堅の数が多すぎるといわれる。世界では5兆円を超す独ボッシュを筆頭に、メガサプライヤーを軸にした再編が速まっている。

シート部品に強く売上高2兆円規模の仏フォルシアは、すでにこうしたホンダ、日産系の複数のサプライヤーに買収提案を持ち掛けている。同社は19年に日立製作所傘下だった音響機器・カーナビゲーションのクラリオンを買収しており、事業拡大を目指す上で日本企業の技術の取り込みに意欲を見せている。電装品などの仏ヴァレオは17年にランプの市光工業を傘下に入れ、電子ミラーなどの共同開発を進めている。フォルシアなど他のメガサプライヤーと競っており、日本でさらなる買収に動いてもおかしくない。

国内勢同士の再編なら、軸になるのはトヨタ系だ。すでに、水面下でトヨタ系サプライヤーから統合を持ち掛けられたホンダ系企業がある。国内部品最大手のデンソーや変速機のアイシン精機など御三家の他にも、パワーステアリングのジェイテクトなどが強みを発揮している。サプライヤーの再編は、国境と系列を越えた形で進みそうだ。

(日経ビジネス 奥貴史)

[日経ビジネス電子版2020年6月1日の記事を再構成]

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