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【製薬大手】スイスのロシュ傘下。がん領域など新薬候補は充実。

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テルモ、新型コロナ「重症患者」治療 米で使用許諾

日経ビジネス
2020/4/17 2:00
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テルモの装置にD2000吸着カートリッジを取り付けたところ

テルモの装置にD2000吸着カートリッジを取り付けたところ

日経ビジネス電子版

アビガンなど、新型コロナウイルス感染症への対抗策の開発が進められているが、重症化した患者に対しては、抗ウイルス薬の効果は期待しにくい。ただ、その一方で、重症化に伴って生じる症状にも、対抗手段となる治療法の開発が進められている。

大手医療機器メーカーのテルモは4月13日、同社の遠心型血液成分分離装置「スペクトラオプティア」が米食品医薬品局(FDA)から9日付で新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対する緊急使用の許諾を受けたと発表した。

スイスのマーカー・セラピューティクスの「D2000吸着カートリッジ」と組み合わせ、呼吸不全で集中治療室に入院している18歳以上の患者に使用することが条件となる。公衆衛生の緊急事態である期間限定の許諾だ。

スペクトラオプティア自体は、血液を体外に取り出して有害な血液成分などを除去してから体内に戻す「アフェレシス」という治療への利用で承認を受けていた。一方、D2000吸着カートリッジは、欧州では医療機器の認証を得ていたが、米国では承認を得ていなかった。そこで今回、COVID-19への対策としてFDAが緊急使用を許諾した格好だ。

■「免疫の嵐」を抑制する

この装置とカートリッジのセットは、COVID-19が重症化し、「サイトカインストーム(免疫の嵐)」という現象が生じた際に使用する。

インフルエンザや重症急性呼吸器症候群(SARS)、中東呼吸器症候群(MERS)などの感染症では、ウイルスを排除するために分泌された「サイトカイン」と呼ばれる体内の物質が過剰な免疫反応を起こし、重篤な臓器障害などにつながることが知られていた。COVID-19でも、重症化の引き金を引くのがサイトカインストームだと考えられている。

D2000吸着カートリッジには活性炭と樹脂が詰まっていて、患者の血液のうち、血漿(けっしょう)と呼ばれる成分を通すとその中のサイトカインを吸着して除去する。この血漿を患者に戻すことで、サイトカインストームを抑えることが期待されるわけだ。

今回の緊急使用許諾の対象となったうち、テルモのスペクトラオプティアは日本でもアフェレシス用に承認されている。残念ながらD2000吸着カートリッジの方は日本では未承認だが、サイトカインストームに対する治療としてアフェレシスを行う例はあるようだ。日本感染症学会のCOVID-19に関する症例報告でも、重症患者にアフェレシスを実施した例が報告されている。

■中外は抗体医薬を臨床試験

一方、サイトカインストームを抑制するための治療薬については、日本でも臨床試験の開始が検討されている。

中外製薬は8日、抗体医薬の「アクテムラ」についてCOVID-19を対象に国内で臨床試験を開始すると発表した。

アクテムラについてはスイス・ロシュが先行して、米国、カナダおよび欧州を含む世界における重症COVID-19肺炎の入院患者約330例を対象とする臨床試験を3月に開始している。これとは別に、日本でも臨床試験を行い、COVID-19の重症患者に使えるようにする計画で、症例数など試験の詳細な内容について規制当局と相談しているところだという。

アクテムラは「インターロイキン6」と呼ばれるサイトカインの働きを妨げることで、サイトカインストームを抑制する。遺伝子治療薬「キムリア」の副作用でサイトカインストームが生じた際、アクテムラを使用することは既に日本でも認められている。重症のCOVID-19に対しても使えるようになれば、医療現場で使える武器が増えることになる。

■抗ウイルス薬とともに期待

この他、COVID-19の重症化によって生じる「急性呼吸窮迫症候群」という呼吸器系の症状に対して、メディシノバというベンチャーが米エール大学と共同で臨床試験を開始すると発表した。

再生医療製品の開発を手掛けるバイオベンチャーのヘリオスも、日本で進めている臨床試験の対象に、COVID-19によって急性呼吸窮迫症候群になった患者も含むことにしたと発表した。

アビガンなどの抗ウイルス薬に加え、重症化した患者に対する治療の選択肢も速やかに増えることを期待したい。

(日経ビジネス編集委員、日経バイオテク編集委員 橋本宗明)

[日経ビジネス電子版 2020年4月15日の記事を再構成]

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