メニューを閉じる
2020年11月30日(月)
3085 : 飲食店
東証1部

【外食チェーン】とんかつ専門店が主力。首都圏を中心に展開。

現在値(10:32):
2,072
前日比:
-6(-0.29%)

勝てる投資家への道(1) 成長株投資家の奥山月仁さん

株式投資
日経マネー
日経マネー特集
コラム(マネーのまなび)
増やす
2020/3/24 2:00
保存
共有
印刷
その他

写真はイメージ=PIXTA

写真はイメージ=PIXTA

株式投資で1億円を超える資産を築いたスゴ腕投資家たちも、最初は株の初心者だった。数々の失敗や、厳しい相場を乗り越えながら、投資家として成長してきた実力派の軌跡から、「勝てる投資家」になるためのヒントを3回にわたり紹介する。1回目は割安成長株投資家の奥山月仁さん(ハンドルネーム)だ。

■割安成長株の長期投資で億超え

「仕事で忙しくて、ブログを書く時間もなかなか取れない」

都内の取材場所に現れたコート姿の男性は開口一番、こうぼやいた。兼業投資家の奥山月仁さん。上場企業の管理職として多忙を極める中、割安な成長株を長期保有する投資法で複数の大化け株をつかみ、数億円に上る資産を稼いだスゴ腕の投資家だ。その投資手法を紹介するブログ「エナフンさんの梨の木」は、個人投資家たちの間で根強い人気を誇る。

■人生観が変わった最初の取引

奥山さんが株式投資を始めたのは、高校2年生の時。山一証券(1997年に自主廃業)の株を父親から譲り受けたのがきっかけだ。時は80年代後半のバブル経済が始まりかけた頃。証券会社の株は軒並み上昇した。

「譲ってもらった時には1000円ほどだった山一の株価も、あれよあれよという間に3倍の3000円になった。これで人生観が変わった」

この体験が契機となって、大阪大学の経済学部に進学。株価指数先物取引やREIT(不動産投資信託)の日本での実現に尽力した故・蝋山昌一名誉教授のゼミで証券理論を学んだ。

「卒業したら金融業界で働く」と思っていたが、卒業前にバブルが崩壊。金融業界の先行きに懸念を抱き、就職先には一般企業を選んだ。「大学時代も取り組んでいた株式投資は、趣味程度に細々と続けることにした」

この時期に奥山さんが手掛けていたのは、今とはまるで異なる短期トレードだ。同じ銘柄を頻繁に売買。値上がりしたら売って利益を確定し、値下がりしたら再び買って上昇を待った。

「保有期間は長くても2週間くらい。一日のうちに売買を終わらせるデイトレードもしていた。ギャンブル感覚で勝ったり負けたりを繰り返し、儲けたお金はすぐに使っていた」。

■節約で軍資金をつくる

ネットで話題になっていた銘柄を買ったら、そこが天井で高値づかみに終わった。当初のもくろみが外れたにもかかわらず、その銘柄にいつまでも固執して、損失を膨らませてしまった。1銘柄に資金を突っ込んで、大きな損を被った──。初心者がしがちなこんな失敗も、この時期には数多く経験したという。それでも、運用資産を3倍に増やした。「時代の大きな流れを意識して、それに乗っている銘柄を選んだことが大きかった」と奥山さんは語る。

例えば「BRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国)」。2001年に米ゴールドマン・サックスのエコノミストだったジム・オニールが提唱して流行したこの言葉に注目。新興国の成長の恩恵を受けるとみた製鉄大手の住友金属工業(現・日本製鉄、5401)や海運大手の商船三井(9104)などを売買した。

また、恩師の蝋山名誉教授が研究していた不動産の証券化が日本でも広まると読み、証券化を手掛けていたアーバンコーポレイション(08年8月に経営破綻)もよく取引した。こうして手掛けた銘柄の中には、株価が3倍になった時点で売却できたものもあった。

「だが、今振り返ると自分の実力で勝ったとは言えない。03~06年は全体相場の上昇が続き、当時の小泉純一郎首相の名を取って『小泉相場』と呼ばれた。それにうまく乗れただけだった」

ギャンブルとして株式投資がもたらすスリルを楽しむだけにとどまっていた奥山さん。それがある出来事をきっかけに一変する。結婚を機に夫婦で資産形成に取り組むことにしたのだ。

最初に励んだのは節約。「ある程度の金額までは、生活費を節約した方が確実に貯めることができると考えた」と語る。女性誌に載っていた節約術を夫婦で実践。食料品はスーパーの閉店間際の5割引きのものを買い、旅行ではJR各社の鉄道が5日間乗り放題になる格安切符の「青春18きっぷ」を使うといった工夫を重ねて、3年ちょっとで2000万円を貯めることに成功した。

■過去の取引を反省し再始動

その中から軍資金を捻出し、今度は株式投資で資産を増やすことに挑戦した。ここで奥山さんは投資法を転換する。契機の一つは、それまでの投資の反省。「投資に多くの時間を割けず、相場に張り付くこともできない会社員が短期売買で資産を大きく増やすのは難しい。投資を変える必要性を感じた」

もう一つの契機が、かつて売買した銘柄の株価チャートをチェックしたこと。自分が売却した後も多くの銘柄が上昇し続け、買値の5倍や10倍になっていた。「頻繁に売買せずに持ちっぱなしにしていれば、資産をもっと増やすことができていたと悔やんだ」

この時にかつて読んだことのある1冊の本が頭に浮かんだ。米国の著名ファンドマネジャー、ピーター・リンチが個人投資家向けに書いた著書『ピーター・リンチの株で勝つ』(ダイヤモンド社)だ。

リンチは、米資産運用大手フィデリティの旗艦ファンド(投資信託)を1977年から13年間運用。平均で年率29%のリターンを上げ、純資産総額を700倍に増やした。彼は著書で「アマチュアの個人投資家はプロのファンドマネジャーに対して優位性を持っている」と説き、「(個人投資家が)自分の働いている業界の変化や、消費者としての情報を意識的に利用すれば、10倍になる株を見つけられるだろう」と力説した。

奥山さんはリンチの著書を読み込み、そこに書かれた投資法を研究。日本株に応用して売買を実践した。その要点をまとめたのが、左の図だ。こうした方法で発掘した5銘柄前後を長期保有するスタイルを確立。トンカツ専門店「かつや」を展開するアークランドサービスホールディングス(3085)で20倍高を実現するなど、複数の大化け株を手掛けてきた。運用資産は順調に増え、11年半で約15倍に拡大した。

「かつては営業でよく外出していたので、街中の変化に着目して有望株を発掘することが多かった。アークランドもあちこちで店舗を見掛けたのがきっかけだ。今は仕事絡みで探すことが多い」と話す奥山さん。今注目しているのはIT(情報技術)の動向だ。「デジタル技術でビジネスモデルを変えるDX(デジタルトランスフォーメーション)などに関連する銘柄を探している」と話す。

(中野目純一)

[日経マネー2020年5月号の記事を再構成]

日経マネー 2020年5月号 1万円からの勝てる株式投資入門

著者 :
出版 : 日経BP
価格 : 750円 (税込み)

保存
共有
印刷
その他

電子版トップ日経会社情報デジタルトップ

ニュース(最新)  ※ニュースには当該企業と関連のない記事が含まれている場合があります。

【ご注意】
・株価および株価指標データはQUICK提供です。
・各項目の定義についてはこちらからご覧ください。

便利ツール

銘柄フォルダ

保有している株式、投資信託、現預金を5フォルダに分けて登録しておくことで、効率よく資産管理ができます。

スマートチャートプラス

個別銘柄のニュースや適時開示を株価チャートと併せて閲覧できます。ボリンジャーバンドなどテクニカル指標も充実。

日経平均採用銘柄一覧

日経平均株価、JPX日経インデックス400などの指数に採用されている銘柄の株価を業種ごとに一覧で確認できます。

スケジュール

上場企業の決算発表日程や株主総会の日程を事前に確認することができます。

株主優待検索

企業名や証券コード以外にも優待の種類やキーワードで検索できます。よく見られている優待情報も確認できます。

銘柄比較ツール

気になる銘柄を並べて株価の推移や株価指標(予想PER、PBR、予想配当利回りなど)を一覧で比較できます。

  • QUICK Money World