【家電中堅】ビクターとケンウッドが統合。自動車関連など3事業が軸。
原則または一部で在宅勤務を実施する企業は46%にのぼった
新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、在宅勤務を取り入れたり国内出張を禁止したりする動きが広がっている。日本経済新聞が27日、主要企業を対象に緊急調査したところ、約5割の企業が原則または一部で在宅勤務に切り替えた。歓送迎会や宴席を自粛する企業は8割を超えた。企業活動の自粛が広がれば、経済全体への影響も大きくなる。
政府は26日、全国的なイベントについて、今後2週間は中止や延期などを求めた。企業には時差出勤やテレワークの利用も要請したことを受け、日本経済新聞が27日に緊急調査を実施。安倍晋三首相が全国の小中学校や高校などの臨時休校の要請を表明する前の同日夕までに136社から回答を得た。
このうち原則または一部で在宅勤務を実施する企業は46%にのぼった。本社勤務に限ると約12%が原則、約32%が一部で在宅勤務にした。
三菱商事は28日から3月15日まで、国内拠点で働く全社員約3800人は原則在宅勤務とする。花王は3月15日まで、工場や店頭を除く国内従業員の半数の約1万5千人を対象に実施する。第一三共は国内全事業所の約8800人、KDDIは全社員の約半数の8千人、ホンダも都内の拠点で働く2千人に在宅で働いてもらう。
感染者は各地で増加している。本社やその付近で感染者を確認し在宅勤務に変更する例もある。ガラス大手のAGCは28日から、本社勤務の約1400人の従業員を在宅勤務とする。本社がある新丸の内ビルディング(東京・千代田)に感染者が立ち寄ったことを踏まえた対応だ。
電通では東京・汐留の本社ビルで働く男性従業員がウイルス検査で陽性だった。そのため26日から、本社ビル勤務の約5000人を無期限で在宅勤務に切り替えている。
働く場所を比較的問わないネット関連企業は、他社に先駆けて機動的に動いている。メルカリは19日から東京拠点の従業員を在宅勤務にしており、約1800人が対象とみられる。
一方、回答企業全体のうち、工場や店舗での勤務については約24%が「実施する予定はない」と回答した。
企業では様々な活動に制限が出ている。外出しての営業については約4割の企業が自粛し、国内出張も約6割が禁止している。ソフトバンクは「オンラインでの打ち合わせを推奨している」など慎重な対応が見られた。
消費にも影響は及ぶ。社内の歓送迎会や宴席は約54%が原則自粛し、約27%が一部を自粛。「通常通り続けている」のは約6%にとどまった。感染拡大で自粛が続けば、外食企業の売り上げに影響が出そうだ。
新製品発表会や販売促進セミナーなど、自社イベントの開催については約8割が中止している。明治の工場竣工式は延期となり、そのほか駅伝などの社内向けスポーツ観戦、研修など多岐にわたった。
春の入社式については約7%が中止を決定し、約74%が中止・延期を検討している。通常通り実施としたのは約16%にとどまった。